ひと目でわかる花と野菜の病害虫(大阪府園芸植物病害虫図鑑)

イネ

ツマグロヨコバイ・萎縮病

ツマグロヨコバイ雄成虫
ツマグロヨコバイの雄成虫

萎縮病・生育不良
萎縮病による生育不良

萎縮病・葉のカスリ症状
萎縮病による葉のカスリ症状

ツマグロヨコバイ
<被害と虫の特徴>
虫が葉に群がって汁を吸う。吸汁による実害はほとんどないが、多発すると虫の排泄物にすす病が発生して、葉が黒く汚れる。
吸汁時に萎縮病のウイルスを媒介する。
体長は雌が6ミリ、雄は5ミリである。体色は緑色で、雌の翅の先端はうすい褐色、雄の翅の先端は黒色である。幼虫はうすい黄色で、尾端がとがっている。
<防除>
田んぼの中やあぜのイネ科雑草で越冬するので、雑草を刈り収る。
移植時にアドマイヤー箱粒剤を育苗箱にまく。
発生が多い場合は6月中下旬または7月中下旬にエルサン粉剤3DL、バッサ粉剤DL、トレボン粉剤DLを散布する。

萎縮病
<被害の特徴と発生生態>
病原体は萎縮病ウイルスで、ツマグロヨコバイによって媒介される。
株全体が小さくなり、分けつが増える。葉の色が濃くなり、葉脈に沿って連続的に白色の小さな斑点ができる。
早植えの稲が6月上中旬に感染すると出穂せず、被害が大きい。7月以降に感染した場合は出穂するが、シイナになることがある。
<防除>
移植時に粒剤の育苗箱施用、または6月中下旬、7月中下旬に薬剤散布を行ってツマグロヨコバイを防除する。

発生消長

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