[Date Prev][Date Next][Thread Prev][Thread Next][Date Index][Thread Index]
[IPM:25] 質問−回答事例Fwd: [evolve:5946] Re: <Q> Lazy ant
天敵IPMMLメンバー各位
羽曳野田中寛です。
/田中IPM24(MLの利用法)と関連して,ちょうど面白い事例が今飛び込んできたので
転送します。参考までに。
> Date: Fri, 6 Aug 99 14:34:07 JST
> From: onoyama@obihiro.ac.jp (ONOYAMA Keiichi)
> Reply-To: onoyama@obihiro.ac.jp
> To: evolve@affrc.go.jp (EVOLVE ML)
> Subject: [evolve:5946] Re: <Q> Lazy ant
> Posted: Fri, 6 Aug 1999 14:33:35 +0900
> X-ML-Name: evolve
> X-Mail-Count: 05946
> X-MLServer: fml[1.6.5.4](1.7gamma) #rms :smtp[1.6.6]
> X-ML-INFO: If you have a question, %echo # help|Mail evolve@affrc.go.jp
> Lines: 61
>
> 仲矢史雄さん,EVOLVEのみなさん
>
> ><アリの社会は、よく働くアリと、普通に働くアリと、働かないアリが6対3対1
の割合で構成されている。実験的に働かないアリを排除したら、残りのアリがちゃん
と6対3対1に再配分され、働かないアリが必ず出てくる>
> >これらの事柄に関して、裏付けになる研究にはどのようなものがあるのでしょうか
?。
>
> 6対3対1の割合ではありませんが,わたしも
> [EVOLVE 4567 システム論の文献, 1998.9.11.]に
> > 一般書(書名失念)で,アリの個体構成を勤勉なものばっかりにしても,
> > そのなかからなまけものが2割?ほど出てくるという話があります.
> > この根拠となっている文献を教えていただけませんか?
> という似た質問を出し(local ruleでは説明できないシステム特性の例なのかという
> 興味から),個人メールで松田裕之さんを介して西山賢一さんにプリゴジーヌの文献
> を教えて頂きました.
> プリゴジーヌ(1986)には,
> 「"怠け者"の蟻だけを取り出してまた同じ実験を行った場合,結果として怠け者の
> うちかなりの部分が働き者に変わります(図8〜11)」(プリゴジーヌ,1986: 111-1
> 12).図10の説明文には「右半分の働き蟻(「働き者」)が全運搬量の80%を受け持
> ち,左半分[=怠け者]は20%分しか働いていない.」とあります.(卵運搬量で測
> っていますが,連続的で「働き者」と「怠け者」がはっきり分けられるのではありま
> せん)
> この論文には講演録であるためでしょうが,文献が載っていません.そして本文中
> には「最近行われた実験で」とあるだけで,誰が行った実験なのか,何というアリに
> ついてのものなのかも書いてありません.この論文の次に掲載されている「私自身に
> よるプリゴジーヌ」には文献が掲載されていますが,それらしいものはありませんで
> した.また,ヤンツ(1980)の文献表にも見当たりませんでした.EndNoteというソ
> フトを使ってアリに関する文献を約22000件収録したFormis97というデータベースが
> ありますが,1983年前後や関係すると思ういくつかのキーワードで探しても見つける
> ことはできませんでした.
> 例えば銀行預金量の上位20%の者が預金量総額の80%を占めるという,80-20の法則
> というのがあるそうです(コッチ,1997).プリゴジーヌの紹介例では80-50になり
> ますね.西山(1994: 12-13)には「20と80の関係」としてアリの80%はなまけている
> と出ています.
> 他の人(お名前不明.すみません,メールが掘り出せません)からのご教示として
> ,「1990.動物の未知の世界を読み解く最新理論:誤解しているあなたのための新釈
> どうぶつ読本.255pp.JICC出版局 」にその話(ただしミツバチの話だとか)が
> 載っていたというのがありましたが,この本は品切れで入手できませんでした.
> 結局現在でもわからずじまいです.著者名かアリの名前か雑誌名でもわかればよい
> のですが.この話,わたしの所蔵する本のどれかで読んだような覚えがあるし,友人
> やテレビ局からの問い合わせもあったので,アリの研究者に聞いたこともあるので
すが.
>
> 小野山敬一
> 帯広畜産大学畜産学部畜産環境科学科生態系保護学講座
> 岩手大学大学院連合農学研究科生物環境科学専攻環境管理学連合講座
>
>
> 引用文献
> ヤンツ,E..1980.(芹沢高志・内田美恵訳,1986)自己組織化する宇宙−自然・生
> 命・社会の創発的パラダイム.658pp.工作舎.
>
> コッチ,R..1997.(仁平和夫訳,1998)人生を変える80対20の法則.283pp.TBSブ
> リタニカ.
>
> 西山賢一.1994.ニッチを求めて:文化生態系の適応戦略(増補版).215pp.批評
社.
>
> プリゴジーヌ,I.1986(1983年講演の要旨).(I.S.S.inc.訳を一部訂正)人間と
> 自然との新しい対話.現代思想,1986年12月号: 104−118.
>