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[IPM:583] 代理投稿
皆様,三浦@管理人です.下記に代理投稿します.
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高松さま,皆さま
宮城園試,増田です。
遅くなりましたが・・・。
この時期の使用は結構難しいのですが(温度の日較差と低湿度のため),様子を見る
つもりで使ってみる手はあると思います。
温度や湿度のことを考えると,散布は午前中に行うのがいいと思います。
感染好適条件にぴたりと合うと1回散布でもいけますが,使用時期も考えて2から3
回散布するのがいいでしょう。
この時期ですと効果が見えてくるまで,おそらく2週間以上はかかると思います(1
回散布後)。
ただし,菌が圃場内に定着すると病死アブラムシはかなり長い間発生します。
これが防除効果に結びつくとはかぎりませんが・・・。
本来バータレックは比較的感染好適条件が維持しやすい春から秋の製剤と考えられま
すが,この時期に使用すると冬場にも感染死亡虫が見られることがよくあります。
バータレックの殺虫菌であるバーチシリウム・レカニはうどんこ病の防除にも有効と
いう報告があり(ただし,バータレックに含まれている菌株がそのような効果を持つ
ものかは,私はわかりません。可能性はあると思います),
うどんこ病の発生についても観察しておいた方がよいと思います。
> 菌の性質について、すこしイメージできるようになったと思っています。年末年
> 始、意識して湿度計をちらちら観察していたのですが、日中温度があがって天窓が
開
> かなければ90%を越しますし、そうでなくても70%から80%前後、夜間もしばらくは
70%
> 台で、朝見るとひどい時は50%台ということもありますが、60%から70%台で天気が
良
> ければじょじょにあがってゆきます。もっとも、この2週間ほど天気が不順で暖房
機
> が動くことも多く低めで、日中の好天は必要なようです。
>
> 意外に湿度は高いかなと、バータレックの使用を前向きに考え始めたのですが、
た
> だ、これは湿球をつかった相対湿度ではなく、デジタルの絶対湿度なので、その通
り
> 受けとめてもいいでしょうか?
> 最初にこの薬について聞いた時、確かに、灰色カビ病や、べと病の発生条件と重
な
> るところが大きいので『こりゃ使えん』と思ったのですが、どうなのかな。暖房機
が
> 夜間動いているこの時期はこれらの病気はほとんど意識しなくてもいいのですが、
逆
> に考えるとバータレックも発育しないと考えれれるのでしょうか?
>
> とりあえずつかってみようかと考え始めましたが、まだ引っ掛かるところがあり
ま
> す。差し支えなければお教え下さい。
>
> 高松茂樹
> rose@he.mirai.ne.jp
>
> -----Original Message-----
> 差出人 : Shuichi kurogi <skurogi@m-surf.ne.jp>
> 宛先 : IPM@affrc.go.jp <IPM@affrc.go.jp>
> 日時 : 2000年12月25日 17:35
> 件名 : [IPM:519] Re: バータレックについて
>
>
> >高松 様
> >
> > 宮崎県総合農業試験場の黒木修一といいます。
> >
> > バータレックの材料となっている昆虫寄生菌ですが,基本的には飽和に近い湿
度
> を12
> >時間程度継続させることが必要とされています。日本には植物病害も数多くあ
り,
> 多くの
> >病害は高湿度を好むので,人為的にそのような高湿度を保つことは病害の発生を
助
> 長する
> >ことになるので実際には無理ではないかと思われます。
> > しかし,やむを得ずそのような環境が生じてしまうことは良くあることで,そ
の
> ため殺
> >菌剤の散布は欠くことのできない作業となっています。つまり,高湿度で病害の
発
> 生しや
> >すい時期こそ,このような昆虫寄生菌製剤を利用できる時期であるといえます。
> (例えば
> >ピーマンでは斑点病が出る時期はこの製剤の使用適期です)
> >
> > 湿度は春から秋にかけて露地栽培または雨よけでは夜間の湿度はほぼ飽和しま
す
> し,施
> >設なら保温のために夜間施設を閉めるけれども加温機が作動しない時期は最適環
境
> となり
> >ます。さらに,ナス科などでは樹が茂ってくるので,加温機が作動するように
なっ
> ても意
> >外と保湿されます。いろいろな時期に使ってみると意外と使える剤です。ただ
し,
> 他の天
> >敵類と同じように誰が何時使っても効果がある剤とはいえません。やはり条件が
い
> ろいろ
> >あります。例えば,温湯暖房機や暖房機本体付近では放射熱により葉が加温され
る
> ので,
> >温風暖房よりも効果が劣るといったコツみたいなものもあります。
> >
> > これは賛否両論あると思いますが,昆虫寄生菌製剤は散布液が虫に必ず接触す
る
> 必要は
> >ありません。胞子は葉上で発芽して葉上は菌糸が縦横に走ります。この菌糸は胞
子
> を形成
> >するので害虫が動くことでその胞子が感染します。不思議なことに葉上の菌糸は
虫
> を目指
> >して伸展するような事例も観察されています。最初にバータレックの菌を研究し
た
> 研究者
> >は予防的に散布することも可能であると論文中で指摘しています。一度発病した
害
> 虫は昆
> >虫病原菌の培地となりますから,一旦昆虫病原菌がほ場内に蔓延すると他の天敵
に
> は見ら
> >れないほど長く高い防除効果が得られます。
> >
> >農業および園芸の新年号に似たようなことを書きましたので参考にしてくださ
い。
> >答えになってないと思いますが,自分の作物と作型を見て使えそうなら使ってみ
て
> くださ
> >い。
> >
> >
> >
> >
> >
> >rose wrote:
> >
> >> 和田さん、鷲坂さん、みなさん
> >>
> >> いろいろご指摘ありがとうございます。バータレックについて、カタカナ名
が
> 頭に
> >> はいっていなくて、気がつきませんでしたが、微生物由来の新しい農薬という
こ
> と
> >> で、話を聞いたことがありました。(すみません)
> >>
> >> 確か、温度18〜28℃、湿度80パーセント以上を、半日〜3日間維持すると注
意
> 書き
> >> があり、こりゃ無理だと意識の外においていました。ただ、チェスだけの連用
に
> 心配
> >> になってきていますので、背に腹は代えられないという気持ちでもあります。
そ
> れ
> >> で、もうすこしバータレックについて質問があるのですが。
> >>
> >> (1)私のところは、温風暖房なので、冬場夜間の湿度は(正確に測ったわけでは
あ
> り
> >> ませんが)かなり低いと思います。というのは、寒い日に午後消毒して、翌朝
に
> は
> >> 葉っぱが乾いているのですから。仮に散布するとすれば、天気のいい日に採花
> 後、朝
> >> 8時過ぎに朝一番で散布し、天窓は設定温度をあげて簡単に開かなくして湿度
を
> 保
> >> ち、午後の採花は特別に休み(葉っぱが薬でびちゃびちゃだといけないの
で)、
> と
> >> いった段取りで、なんとか12時間所定の条件を維持するというものですが、そ
れ
> でも
> >> 3〜4時ごろには日照も弱くなり暖房機がかかる可能性はあり、かかれば湿度
の
> 維持
> >> はどうかなというかんじですし夜8〜9時までとなると....。
> >> ということで、仮に12時間後に湿度が急激に下がっても菌の発育は見込める
の
> で
> >> しょうか。
> >>
> >> (2)散布菌のアブラムシへの感染は、直接かかれば当然として、薬剤のかかった
葉
> に
> >> 摂食、ないし、吸汁した場合も感染するのでしょうか(要は、散布に際して、
液
> が直
> >> 接かからない虫にもこうかはあるのかどうか)
> >>
> >> お願いします
> >>
> >> 高松茂樹
> >> rose@he.mirai.ne.jp
> >
> >
>
>