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[IPM:590] チリカブリについて
高松さま、
ハダニの天敵カブリダニが自然発生してきたのは何月ごろですか?
またそのカブリダニはチリカブリダニらしいですか?
最後にチリカブリダニを放飼したのはいつでしょうか?
文献によればチリカブリダニは冬も越冬します(少数ですが)。
ヒラタアブの生態は分かっているはずですが、天敵として増殖はされていない
ということです。(ダニを食べるタマバエはヨーロッパで販売されていますが)(Feltiella acarisugaという学名です)
一般に虫体が大きいとそれだけ餌のコストと時間のコストがかかり
実用に適さない生産コストになってしまうことがおおいので大型の天敵はなかなか
実用化しないのが現状です。
ヒラタアブの卵が大量に安く作れればいいのでしょうが、保存もできにくく
またアブラムシをたくさん食べてくれるステージになるまでの死亡率も高そうです。
また産卵数も少なそうですね。サナギで保存、輸送するのが一般的です。
質問ばかりでは恐縮なので蛇足まで。
和田 哲夫
-----Original Message-----
From: "rose" <rose@he.mirai.ne.jp>
To : <IPM@affrc.go.jp>
Date: Wed, 17 Jan 2001 17:02:25 +0900
> 増田さま 三浦さま みなさま
>
> お忙しい中、ご返事ありがとうございます。
>
> あれから、いろいろ考えましたが、先日散布したチェスは多少不安を残しながらも効
> いているようだし、気がついたら1月も半ばで昨年経験した天敵類の自然発生が期待
> される2月末ー3月上旬も間もなくというわけで、少しチェスだけで様子を見ようと
> 考えています。それで、3月に入っても期待通りの天敵の発生が見られなかった時
> に、バータレックを使おうと考え始めています。
>
> お騒がせしながら、ペンディングになってしまいそうですが、すみません。やはり
> 新しいことはビホウ策的に使うと失敗することが多かったので、ちゃんと計画的にや
> るべきだと感じています。今年は、秋口にまだアブラムシの密度が低く湿度もコント
> ロールしやすいうちに予防的にバータレックを散布しておくのがもっとも効果的か
> な、と感じています。
>
> 昨年のように3月にアブラムシの天敵類が本当に自然発生してくれるか、どきどき
> しています。ハダニの天敵カブリダニに関しては今シーズンもなんとか自然発生して
> います。ただ、部分によってカブリダニが優勢になっているところも、あんまりカブ
> リダニを見ないうちにハダニが増えてしまったところもあります。今、多いところか
> ら少ないところにせっせと葉についたカブリダニを移動させていますが、これ以上ひ
> どくなるようだった。オサダンなどの部分散布、と、こちらは余裕をもってみていら
> れます。今の被害面積は2坪ほどで、他はほとんど被害のないのも余裕をもってみて
> いられるところです。以前だったら、一部分で低密度もダニを発見しても、大抵同時
> 多発テロのように全体に発生していて、ダニ剤の全面散布を余儀なくされましたが、
> そういう意味では、被害のひどいところとそうでないところがはっきり分かれてい
> て、以前とはハダニの発生の仕方が違っているような気がします。
>
> 農薬について、世間一般にイメージで言われるような否定はしませんが、でも、本
> 音を言えば、チェスもバータレックも、IGRも何も掛けたくありません。そうでな
> くても昆虫をコントロールできる安価な方法があればなんでも飛びつくと思います。
> そんな方法は夢幻かもしれませんが、昆虫の生態や生理を細かく観察調査するうちに
> 何かヒントになるものはないかと絶えず考えています。例えば、ヒラタアブに関して
> その生態がほとんど研究されていないと聞きました。確かに現在販売されているアブ
> ラムシの天敵と比べれば扱いにくいのかもしれませんが、でも一時期とはいえかなり
> の食欲を見せますし、もっと研究したいと思いますが、いかんせんわたしの力では見
> ているだけと言う感じです(しかも春と秋の2回、短い期間しか発生しない!でも、
> その期間というのは自然状態でもっともアブラムシの発生する季節と重なっているの
> ですよね)。そもそも、ヒラタアブはどんなステージで夏休眠や冬眠をするのでしょ
> うか?それさえも知らないのです。
>
> 木酢液については、個人的にはあくまで忌避剤で、おまじないのようなものと勝手
> に解釈していました。よっぽど濃厚なものを使えばともかく、普通に使えば、カラス
> 脅しと同じで、じき慣れてしまうのではないでしょうか。でも、その有効成分がター
> ル分などと知れば、なーんだという感じです。『化学』と付くものを否定した結果、
> 『化学』の知識を知ることまで否定してはいけませんよね。
>
> デンプン系など気孔封さ系(?)農薬については、デンプン系を十数万円散布した
> 経験からも、あまり重い期待をもって使えないと思います。それよりも、あれほど期
> 待して大量に使いながら、ふとこれはチリカブリダニも他の天敵も殺しているのでは
> ないかと考えた時、使わなくなりました。私は自然農法とはいえないほど今現在は大
> 量の農薬を掛けていますが、『化学』という言葉に目先のアレルギーだけをおこすだ
> けでなく、総合的害虫管理(IPM)も、自然農法も、結局は求めている方向性は同じな
> んだと、もっと広い理解が欲しいと感じます
>
> 高松茂樹
> rose@he.mirai.ne.jp
>
>
>