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[IPM:703]【書籍紹介】失敗学のすすめ
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- Subject: [IPM:703]【書籍紹介】失敗学のすすめ
- From: hiroshi-habikino.tanaka@nifty.ne.jp
- Date: Thu, 26 Apr 2001 16:05:03 +0900
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IPMMLのみなさん
羽曳野田中寛です。
/天敵カルテの主要ポリシーのひとつに,「失敗事例を大切にして
公表し,情報を共有する」ということがあります。面白い本を見つけたので,
紹介します。畑村洋太郎「失敗学のすすめ」講談社(\1,600)です。
/著者の畑村さん(知り合いではありません)は機会工学が専門ですが,
学生指導の際に,「決められた設問への解を最短で出す」,「こうすれば
うまくいく」,「こうすれば失敗しない」(追いつけ追い越せの時代には
効率的だったのですが・・・)という教え方では表面的な知識しか身に
つかないことに気づき,失敗の効用とその利用のしかたを追究してきた
人です。技術を大きく進歩させた失敗事例の話も豊富に紹介されています。
なお,2001年4月から科学技術庁では畑村さんの考えに共鳴し,「失敗
知識活用研究会」を発足させ,さまざまな分野の失敗データベースの
構築を開始するとのことです。
/これまで1996年に「続々・実際の設計−失敗に学ぶ−」日刊工業
新聞社という本を出されているそうですが,不勉強の田中は知りません
でした。工学書の棚に並んでいるということでもあるし,インターネットで
本を検索する努力も怠っていたので・・・(^_^;)。
/あとがきの抜粋「失敗の話とは不思議な力を持つものだ。大学の
講義や会社の講演などでも,うまくゆく方法を話すと眠そうにしていた
人たちが,まずくいった道筋を話した途端に目を輝かす。」
/読んでいて,ますます,天敵やフェロモンの利用,農薬の薬害(これも
貴重な失敗)などで,失敗事例を収集して分析すること,そしてそれを
次の成功につなげることが,(多様な環境下にある農業現場では
工業よりはるかに)大事だという気がしてきます。
/紹介まで。
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田中 寛 (たなか ひろし)
大阪府立農林技術センター病虫室
(兼)大阪府立大学連携大学院
〒583-0862 羽曳野市尺度442
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