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[IPM:749] Re: アブラムシについて



中央農研の本多です。
アブラムシとなると、つい一言出てしまいます(^^;)。

>    姫路の山下です
>今年は、露地野菜では、比較的アブラムシが少なくてすんだのですが、
>5月はじめ播種のオクラには、わりとしつこく、いました。
>一度は、オレート液剤をかけてまわったのですが、そのうち、田植えやらなんやら 
>でいそがしくなって、まあなるようになったらいいやと放置していたところ、アブ 
>ラムシにたかられながらも、それなりに大きくなってくれ、ここに来て、あまり気 
>にならない程度になってくれました。
 
アブラムシは若い苗の頃にはびっしりと付いて、植物が大きくなると数が減ってしま 
うことがよく見られます。
時間が経つと天敵などの働きで減少することもあるのですが、植物自体が成長して葉 
が堅くなると吸汁しにくくなることも原因のようです。堅くなった葉でも吸汁する種 
類はいますが、あまり密集せずまばらに付いていることが多いです。

>さて、そこで前から気になっていたことをお聞きしたいのですが、
>葉裏にびっちりたかって、これじゃアブラムシを飼っているみたいなものだという 
>葉っぱを、もいで、ぽいと捨てています。
>おひさんに照らされて、葉っぱがしなびたら、アブラムシも一緒にしまびてくれな 
>いかあ、と思ってです。
>まるで根拠なく、きっとそうなってくっるはずという僕の期待と、わざわざ畑の外 
>に持ち出すなんてめんどくさいことやとられん、ということによります。
>
>畑の畦間に捨てられたアブラムシは、ごそごそ動きだして、また復活することが多 
>いのでしょうか?
>
>どなたか、教えいただけるとありがたいのですが
 
畦間に捨てられたアブラムシは、葉が萎れてくると歩いて移動し、そばの植物へ上っ 
ていきます。途中で捕食者に食べられてしまうこともあるでしょうが、結構無事に帰 
ってくるものも多いと思います。作物から3m程度離れた裸地に黄色い水盤トラップを 
置いてアブラムシを捕獲していたところ、翅の無い個体が歩いて入ってきたことが何 
度かありました。どうやら数メートルくらいは歩いて移動できるようです。寄生蜂や 
テントウムシなどの天敵に襲われたとき、植物から自発的に落ちて逃げる行動も見ら 
れます。地面に落ちたアブラムシはいったん土の隙間に隠れていて、しばらくすると 
また出てきて植物に上って行きます。アブラムシが付いた葉を取ったときは、その場 
で踏んで殺しておくことをお勧めします。

本多健一郎@中央農研
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