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[IPM:756] Re:バータレックについて 再考
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- Subject: [IPM:756] Re:バータレックについて 再考
- From: Toshio Masuda <en-envir@sh.comminet.or.jp>
- Date: Sat, 23 Jun 2001 11:40:49 +0900
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高松さん,皆さん
宮城県農業・園芸総合研究所の増田です。
高松さんのご質問に分かる範囲でお答えします。
> (1)使ったことのない薬なので、条件が難しく感じるのは仕方がないと思うのです
> が、ただ、撒布後効いているのかいないのかを、ある程度のところで判断しなけれ
ば
> ならないと思います。それで、アブラムシの死亡は撒布後どれくらいの日数で見ら
れ
> 始めるものでしょうか。また、何日くらいしても兆候が見られなければ効果がな
かっ
> たと判断したらよいのでしょうか。また、通常、効果が最大になるのは何日目が目
安
> でしょうか。
梅雨の時期ですと,白いカビに覆われた死亡虫が見え始めるのは散布5〜7日後で
す。
7日後ぐらいですとカビが生えた死亡虫は1割程度しか見えませんが,その後どんど
ん増えていきます。
3〜4週間も経てばほとんどがカビに覆われた死亡虫になります。
薬液(胞子)の付着量が多ければ,死亡虫が現れるまでの時間が短く,少なければ長
くかかりますので,死亡虫の出現のにこのような時間差が生じます。
また早く死亡したアブラムシが体表面に胞子を作ってそれが健全虫に付着し二次感染
が起るので,時間が経過するほど死亡虫が多くなります。
> (2)菌なので、ある程度温室内に生存し続けることを、やはり期待してしまいます
> が、夏を越して、秋までも胞子等が実用的に生き残ることは考えられないのでしょ
う
> か。
菌自体は生き残ると考えられます。
ただし,実用的な程度かどうかはその間の条件にもよりますので一概には言えませ
ん。
圃場内に死亡虫をそのまま放置しておくとか,あるいはもっと積極的に新鮮な死亡虫
のついた葉っぱを採集し,冷蔵庫などで保存しておき,秋になってアブラムシの発生
したところに乗せてやったりするといいと思います。
このような工夫をすれば,たとえばバータッレクの追加散布が必要な状態になっても
通常三回散布するところを一回にできたりすると思います。
(個人的には,どんな時期でも1〜2回散布でいけると思っていますが・・・。)
>
> (3)効果があるアブラムシの種類は限定されるのでしょうか。(バラミドリアブラ
ム
> シに効かないということはありますか?)
バラに寄生するアブラムシには試験を行ったことはありませんが,Verticillium
lecanii
は比較的寄主範囲が広く,ワタアブラムシやモモアカアブラムシ,その他イチゴケナ
ガアブラムシやヒゲナガアブラムシの類にも感染しますので,おそらく大丈夫と思い
ます。