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中国天敵利用通信 15
中国生物防冶 Vol.18 No.3が発行されました.中国では綿を中心にトウモロコシ、バレイショなどの遺伝子組替体植物の実用化が着々と進行しています。そこに生息する非標的昆虫や天敵に対する影響について関心が高く、研究面でも進んでいるように見受けられます。この号では総説と研究調査報告3篇が掲載されていました。原文のコピ−が必要な方は連絡ください。 1.天敵に及ぼす遺伝子組替え作物の影響(総説) 李 保平ら(南京農業大学昆虫系) 室内試験
捕食虫:主としてアメリカの文献引用。中国ではクサカゲロウに対するオオタバコガ幼虫の組み合わせで影響なしの文献があることを紹介している。 寄生蜂:主としてアメリカの文献紹介。中国ではオオタバコガ寄生のヒメバチ、コマユバチの実験で寄生率、羽化率、繭重などで明らかに影響が見られた実験を紹介している。 野外試験
天敵と非標的昆虫への影響:主としてアメリカの文献を引用しているが、綿害虫については中国の文献からも紹介している。それによると捕食虫についてはカメノコテントウ以外は影響が少ないが、寄生蜂は明らかに少なくなり、吸汁性害虫の異常発生がたびたび見られるのが特徴であるとしている。その原因については明確ではないとしている。野外試験法の確立が急務であることを強調している。 2.Bt遺伝子組替え綿畑における綿害虫とその天敵の密度変化
SUN Changguiら(中国農業大学植保学院) 場所:新彊
試験区の面積:各6.6a 試験区:組み替え綿+殺虫剤 組み替え綿+無農薬 通常品種+無農薬 結果:組替え綿はオオタバコガに対して効果が高かった.ワタアブラムシ(Aphisgossypii)、カスミカメ(Lygus lucorum)が多発した.ワタアザミウマ(Thrips tabachi)の発生は差がなかった。捕食性天敵のクサカゲロウ、ヒメハナカメムシなどは差が少なかった。 3.綿畑の害虫防除方法と天敵動態
YANG Yizhongら(楊州大学農学院植物保護系) 場所:揚州
試験区の面積:各3~4a 試験区:組み替え綿+無農薬 通常品種+慣行防除 通常品種+Bt剤使用 通常品種+無農薬 結果:捕食性天敵に対する影響は少なかったが、寄生性天敵(ヒメバチ、コマユバチ)には影響が見られた。 4.遺伝子組替え綿品種の栽培による昆虫相の変化
柏立新等(江焚省農科院植保所) 場所:南京付近
試験区の面積:各5*10m 4連制 試験区:組み替え綿(高度品種109)+無農薬 組み替え綿(高度品種154)+無農薬 組み替え綿(中度品種972)+無農薬 組み替え綿(中度品種690)+無農薬 通常品種+薬剤散布6回 結果:オオタバコガに対しては品種による効果に差はなく、いずれも効果的であったが、アブラムシの多発が各所で見られ、薬剤散布の必要があった.多発の原因は不明.捕食虫は比較的多く、ハダニの発生は少なかった。 日本では組み替え植物に関しては研究に制約があるので実施例は農業環境研究所などの例をのぞいては少ない。しかし、総合防除の有力な素材であることは間違いがない。将来のために天敵や非標的昆虫に対する基礎的な研究を行う研究者がもっと出てきてもよいのではないだろうか。(高木感想) |