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[IPM:376] (題名なし)



 天敵利用に関心をお持ちの皆様は隣国の中国で行われている天敵利用にも関心を持っている事と思います。。天敵

に関する情報は中国農業科学院生物防治研究所の発行する季刊誌”中国生物防治”に発表される論文から窺い知る事

が出来ます。日本でこの雑誌はあまり重視されていないようですが,日本と似た作物や気象条件,小規模農業など共通

の農業が行われている事に注目したいものです。今後時々天敵利用報告の概要を皆様にご紹介したいと思います。今

日は最近届いた16巻3号の中からの1篇を紹介します。(詳細が知りたい方には原文のコピ−をファックスで送ります
)

キイロタマゴバチ(Trichogramma pintoi)による新彊でのオオタバコガ(Helicoverpa armigera) 
の防除試験
馬 徳英 ら 新彊農業大学農学院

 従来はウズベキスタンや中国内の他省から導入し系統を使用していたが,成績が悪いので,新彊省の在来種を採集し

,増殖して試験した。
実施年月日:1999年8月7日(第三世代の卵の最盛期)。作物:トウモロコシ。区制:1区670m2。放飼量:一区15

000頭。対照区:300m離れた場所に設置。調査法:各区5箇所からそれぞれ20株を取り全体を調査.

結果:卵に対する寄生率
       8/10  8/14  8/16  8/19  8/25  8/30  9/2
T.pintoi    16.0  25.0  36.7  35.6  34.2  61.6  70.2  
ウズベキスタン種  2.6  3.0  20.0  13.5  32.5  55.1  45.8
無放飼区    1.6  1.4  1.3  2.0  8.7  18.1  8.4
 
 試験区の幼虫減少率
         8/25  8/30  9/2 
T.pintoi     49.4  37.9  49.0
ウズベキスタン種   2.5  5.7  22.7 

 試験の考察として,在来種の成績が導入種より良かったのは現地の条件に適応していたためとしている。

 試験区の規模,調査間隔など参考になる事があり,在来種の活用の一つの方向ではと思った(高木感想)