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[IPM:568] 中国天敵利用通信7



今日は遡って15巻3の中からの1篇を紹介します。いわゆる野外放飼試験ですが,中国でも寄生率の評価までで,防除

効果の評価には困っているようです.
No7
 鴻 建国     山東省農業科学院植物保護研究所

キイロタマゴバチのトウモロコシ害虫に対する効果(1999)

 アワノメイガおよびオオタバコガ卵に対する人工卵飼育によって得られた 
Trichogramma dendrolimiおよび  Trichogramma chilonisの放飼効果
放飼区 2300ム- (Trichogramma dendrolimi)
放飼区   200ム-  (Trichogramma chilonis)
無放飼区 100ム-  (無放飼)
 
各区は200m以上離した。放蜂器を用いて7月下旬に3日おきに3回,1ム-当り4000-5000頭ずつ放飼。最終放飼日か

ら3日後卵を採集して寄生率の調査を行った。
結果:
アワノメイガ            卵塊寄生率(%)  卵粒寄生率 (%)   
      Trichogramma dendrolimi     91         82
      Trichogramma chilonis       92         83
      無放飼                   59                  49
オオタバコガ          100穂当りの虫数(頭)
Trichogramma dendrolimi          7.2
Trichogramma chilonis         2.6
無放飼                        9.0
キイロタマゴバチの放飼効果は評価が難しいが,放蜂器に工夫があると思われた.
キイロタマゴバチを接種した人工卵は二枚の紙に挟まれたカ−ドになっている.カ−ド
の一枚を縁まではがし,放飼する作物の葉または茎を間にはさんで再び紙をかぶせる。葉はカ−ドの縁から外に1cm

ほど出るようにセットする。これを果樹の袋懸け用の紙袋に入れ,数個の小さな穴を串であけて,口を閉じる。この

放蜂器を作物の葉にホチキスで止める.作物の葉を伝って羽化したタマゴバチが脱出するように工夫した天に興味が

持たれた(高木感想)



 興味のある方は連絡下さればコピ−をファックスで送ります.