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[IPM:981] 環境goo 後、考えたこと1



大野さん、田中さん、木浦さん、IPMMLのみなさん

 環境goo 松永です。遅レスですみません。その他、私に個人的にアドバイスなど
してくださったたくさんの方、ありがとうございます。

>>> (3)土着の天敵では戦えない無法地帯。・・・土着の天敵を保護したりして,
>>> けっこうやれる・・・既成概念を岡山の永井さんがひっくり返しちゃった・・・
>> $$$ さっきのコハちゃんも可能性があります。バンカープラントなんていう
>> 手もあるし・・・。永井さん,大野さん,今書き入れ時だろうけど,なんか書いて
> よ。
> 
>  畑の回りの環境も含めて、私達の生活を取り巻く環境(生態系)には多種多様な天
> 敵がいます。その天敵達をうまく使う方法として岡山農試の永井さんが提案されたの
> が露地ナスの憎き害虫ミナミキイロアザミウマやその他のナス害虫を防除する技術で
> す。
> 
>  ポイントは天敵に影響の少ない農薬を使うことで、周辺環境からなす圃場に飛んで
> くる天敵(この場合はアザミウマ類の有力天敵であるヒメハナカメムシ類)を保護す
> るという方法です。この方法(アイデア)に飛びついて大野が福岡県の農家圃場10
> 箇所でやった実証試験では、ミナミキイロアザミウマへの防除回数平均20回をゼロ
> もしくは1回くらいに抑えることが可能になりました。
> 
>  農家の人に良く言うのですが、天敵など俺の畑で見たことないという方、そもそも
> 天敵が生きていける畑になっていないということを認識してもらうことが必要です。
> これは頭ではなく、上記のような実証的な試験で自分の畑で実感する方が良い。
> 
>  少し砕いた説明すると、
>  まず「土着天敵で戦えない無法地帯」、保安官的な天敵が機能しないのは、天敵に
> 影響するような農薬が使われているからです。天敵に影響のない農薬を使うことで
> (現段階では農薬は必要です)、結果的に無法地帯ではなく、生き物のつまり生物界
> のルールが通じる世界を作れるのです。
> 
>  ちなみに、マメハモグリバエやトマトハモグリバエでも土着の天敵(ここでは農家
> の畑周辺の天敵と考える方が良いですね)を使って防除できます。ここ、宮崎の清武
> 町ではナス農家さんたちが今年から取り組みを始めました。なかなか安定した結果で
> す。

 このように具体的に説明していただけると、よーく分かります。次回のコラムで、
商品としての天敵の延長線上に、ちゃんと土着天敵の利用技術があることを紹介した
いと思います。
 宮崎で既に取り組みが始まっているなんて、うれしいですね。おそらく、昔の人は
意識することなく土着天敵を利用していたのでしょうが、理論的な裏付けを得て「復
活」するのは貴重なことです。
 
 ただ、消費者は、このようなたくさんの生物がからんだ生態系の中の農業を、頭で
は分かってもどうにもイメージしにくい。昔の農薬の印象、いっぱいかけてすべての
生物皆殺し、のイメージが頭の中にこびりついているからです。だから、有機無農薬
農業賛美に一足飛びです。

 農家が選択性の高い農薬を使って実証試験するだけでなく、それになんらかの形で
消費者が参加できれば、消費者の農業に対する印象もだいぶ変わるかも。農家と消費
者の交流がいつまでたっても「食べる」とか「援農」とか、その延長線上の意味合い
しかない「地域通貨」じゃ、つまらない。一緒に、環境と健康を守る農業技術を考え
ていこうよ、というのも楽しいと思うのですが。ちょっと楽観的かな。
 

 さて、今回書いて反応をいくつか聞いて思ったことですが、一般の人の基本的な誤
解はとても大きい。まず、私の原稿を読んで何人もの人が「マルハナバチって天敵じゃ
ないことを、初めて知った」と言ってきました。さらに、農薬=化学合成農薬と思い
こんでいたために、「天敵農薬」って何のこと? となってしまった人も多い(この
あたりは、原稿の稚拙さのためか?)。
 で、農薬と名がついているがために、「またまた余計なことを。やな感じ。そんな
もの使わなくても栽培できるって、有機農家は言ってるぞ」という反応になるような
のです。

 でも、そんな消費者の反応は皆さんとっくにご経験あり、なのでしょうね。
 天敵カルテに関わっている方の多くが、慎重に「天敵」とか「天敵昆虫」という言
葉を使って、「天敵農薬」は使わないことには気が付いてはいました。「そうだった
のか」と遅まきながら得心しました。
 私の原稿が消費者の誤解を解く一助になれば、と願っていますが、やはり皆さんが
「天敵を利用する農業って面白いんだよ。だから関心持ってよ」とアピールし続ける
ことが、最も効果がありそうです。

 とりとめなく書いてしまいました。申し訳ありません。
 このほか、マルハナバチの在来種への影響についても、やはり読者からご意見のメ
イルをいただいています。また今度、ご紹介します。

松永 和紀(まつながわき)
waki@bc.iij4u.or.jp