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[IPM:1037] Re: 報文アドバイスありがと うございます
その農業資材審議会のメンバーは誰ですか?
説明に行きたいくらいですが?
和田
-----Original Message-----
From: 松永和紀 [mailto:waki@bc.iij4u.or.jp]
Sent: Tuesday, July 02, 2002 10:14 AM
To: IPM@ml.affrc.go.jp
Subject: [IPM:1023] 報文アドバイスありがとうございます
田中様、和田様、木浦様、高木様、皆様
環境goo 松永です。
アドバイスありがとうございます。遅レスすみません。ばたばた動き回っていて、
ご返信遅れました。三島の藤澤さんのところにも、お邪魔しましたよ。
>> ・・・読みたい報文は、天敵農薬とほかの防除方法を比較するもの・・・
>> ・・・化学農薬や物理的防除などと比較・・・
>> ・・・効果・・・作物の品質、費用、失敗する確率・・・
> $$$ やっと,このあいだから松永さんが言いたかったことがわかってきました。
> たしかに,松永さんの言われるとおり,天敵農薬とほかの防除方法を
> 比較した試験,私自身もやってませんね(^_^;)。専門家以外から指摘されて
> はじめて気づく盲点(松永さんに感謝)! こういう質問も想定してやって
> おけばよかった,と思ってもあとの祭り。
>
> $$$ ただ,弁解だけはしておこうと思います。農薬の試験では試験区の
> 面積が小さくても成立しますが,天敵の試験ではひとつのハウス内で
> 処理区と無処理区を取るのが困難で,異なるハウスを必要とします。
> また,無処理区の一部に薬剤散布区を作った場合,薬剤の効果が切れると
> 無処理区から虫が飛び込んできて,薬剤散布の効果が低く評価されて
> しまいます。こんな状況があり,農薬の試験ではたいてい2〜3週間以内で
> 効果を評価するのに対して,(天敵の試験ではずっとずっと遅れて効果が
> 出てくる場合も多く)効果をいつの時点で評価するかが非常に大きな問題に
> なります。たとえば,3つの同じように害虫が発生しているハウス(こんな
> ハウスを用意することは費用的にも労力的にも実際は非常に難しい!)を
> 使って,天敵区,無処理区,農薬散布区(農薬の散布間隔を決めるのも
> また問題になってくる)を長期間追跡したとします。効果の評価時期を
> 1週間後にするのか,1か月後にするのか,3か月後にするのか,また,
> 収穫期の終わり頃に天敵の効果が低下して被害が急激に出たけれど,
> 実害(損害)は少なかったという場合はどう評価するのか,・・・と難問続出。
> 農薬ではこういう評価の仕方はしません。自動車と電車を比較する(いかにも
> ピンボケのたとえで自分でも笑えますが)みたいな話になっちゃうので,
> ふつうはあきらめてしまう,というか,試験をする時に意識の端にも上らない,
> というのが真相でしょうね。
>
> $$$ それに加えて,作物の品質,失敗する確率,・・・となると,頭は混乱の
> きわみ! 失敗する確率は慣れによってどんどん変わっていくし・・・。結局,
> 「あまりにも多様」なのです。一方,研究にもコスト(費用&労力)の問題は
> 避けて通れません。他の要因を同じにして一つの要因だけを比較する
> 分析的な方法ではあまりにも時間とコストがかかって,ちょっとやそっとでは
> 確実なものはなんにも得られない(実際上無理です)。この解決法としては,
> 永井さんがやったような在来天敵保護区での観察(それでも全ての食物連鎖を
> 捕らえるのは無理),現在高知のナス産地で岡林さんたちがやってる多数の
> 農家の比較(例年の害虫の発生しやすさ,薬剤・天敵使用暦,etc,etc)に
> 基づく要因の把握,というような「文科系的」方法にならざるを得ないでしょう。
> ・・・岡林さん流のやり方は想定される重要な天敵カルテの利用法のひとつです。
> 一方,もし膨大なカネをかけて要因をある程度把握し,シミュレーションモデルを
> 作ったとしましょう。でも,その場合,最初のちょっとしたパラメータが異なるだ
けで
> 天と地の差が出てしまう,というような,世界の気象シミュレーションと同じ
> 問題がおこるでしょう。
ご説明いただいて、私にもなんとなく分かってきました。私も植物栄養学を学んで
いる時にグロウスチェンバーで栽培実験をしながら「これは実際に圃場で起きている
ことと、どのくらいかけ離れているのだろうか」と思った記憶があります。容易に単
純化できる植物の栽培実験ですらそうですから、ましてや天敵は、なのでしょうね。
それに、藤澤さんの「害虫が怖くなくなった。以前は、害虫が出ると早く抑えなく
ては、とあせって農薬を使っていたけれど、今は害虫を見ても怖くない。少しゆっく
り様子を見て対策を考えることができる」という言葉が印象的でした。おそらく、田
中さんにご説明いただいたこととを生産者から見ると、このような表現になるのでは
ないか。
藤澤さんのお話はとても参考になりました。藤澤さんの虫を語る時の様子と言った
ら。目から星がピカピカ飛び出している感じ。本当にそうでしたよ。何より雄弁でし
た。
ただ、農薬行政への影響力が大きい人に限って「天敵? あんなもの、だめだよ。
ものすごい数の外来昆虫をまいて農家にも大きな負担をかけておいて、よく分からな
いんだから、どうしようもない」と一刀両断するのが現実です(私は実際に、農業資
材審議会のメンバーから、もう少しひどいことを言われました)。
この人たちをねじ伏せる、あるいは事実誤認を指摘する「データ」が欲しいなあ、
と正直に言って思います。それとも、彼らが勉強不足なのだろうか。
そのあたり、教えていただいた資料を読んで考えていきたいです。
永井さん、岡林さんの研究も興味深い。何かまとまった資料があれば、お教えくだ
さい。
松永 和紀(まつながわき)
waki@bc.iij4u.or.jp