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[IPM:1083] Re: 農薬のスペクトラムと倍率
IPMーMLの皆さん、藤澤 様。
石塚@日植防です。
> 唐突ですが、農薬のスペクトラム、この概念は農家にはほとんど無いと
> 思います。
きちんとした情報としての「スペクトラム」概念についてお話ししている
訳ではなく、使用回数や薬剤数を制限されると、何となく効果の幅が
広い薬剤を選ぶ傾向になるのではと言うことです。
例えば、ある作物には生育期間中に農薬を3剤しか使わないように
しましょうと言う話になれば、アブラムシにしか効果を示さない剤より
コナジラミやもしかしたら鱗翅目にも効果がある剤の方が、コスト的にも
手間的にも嬉しいですよね。 そうなると、天敵相の広い範囲に影響が
懸念されるのではないでしょうか?
IPM指向の農薬で、○○虫だけ確実に抑えますと言う剤を旨く活用する
には、発生する害虫がかなり絞られるか、あるいは他の防除手段が確実
に確立していないと使いにくいのではと考えます。
まあ、そのための研究が近年盛んに行われている訳ですが...
> でしょうか? 農薬の使用量を減らそうとした時には必要だと思います。
> コナダニに効かないダニ剤を散布したのでは、農薬の使用量がふえちゃい
> ますからね。
仰るとおりだと思います。
> また、農薬の倍率についてですが、散布濃度に1000倍から2000倍
> と書いてある物がいくつかあります。イチゴ一株にアブラムシが10匹い
> たら1000倍で100匹いたら2000倍という基準があると分かり安
> いけど、一般的には1000倍で散布するでしょう。その方が効果が高い
> ・・・
開発側にもいろいろ事情があるようで、農薬を最初に登録する際、安定した
効果が得られる濃度で確実に試験を積み上げ、登録された後に適用拡大
申請を行って濃度の幅を広げる傾向にあるようです。最初に全部登録する
よりもリスクが軽減出来ます。 実際には使用しているうちに、効果が鈍く
なってしまい、徐々に使用濃度が濃くなる事の方が多いのではないでしょうか。
また、農薬の効き方は害虫の密度よりも個々の害虫の薬剤感受性に依存
することも多いので、少ない頭数だったら薄くても効き、密度が上がってしまう
と濃度を濃くすると言う訳にはいかない場合が多いようです。むしろ密度が
上がってしまったら、複数回の散布により、生育ステージのずれを抑えることが
肝要です。
効果が確実な濃度で使用し、初発をキッチリ抑えることが、その後の防除
回数の低減にも結びつくと言う考えもありだと思います。
> IPMで天敵を使っていると、農薬の倍率は基準の倍率より、もう少しだ
> け高い倍率(2000倍なら3000倍とか)でOKなこともあるように
> 思うのですが、このあたりも知りたい所です。
たぶん、IPMで有効利用したい天敵にとっては、害虫に効果を示す
濃度範囲では確実に影響が出てしまう場合が多いと思います。
特定の天敵を生かすためには、その虫に影響のある農薬は
なるべく使わない様にしなければいけないと思います。
薄い濃度での利用が薬剤抵抗性を助長する場合も考えられ
なかなか難しい事だと思います。
p.s 現場をあまり知らない私がコメントするより、各地でご活躍の
皆さんのご意見を頂きたいですね。
<蛇足>
良く耳にする「スポット散布で害虫の初発を抑える」と言う手段が
ありますが(天敵へのダメージも少ない)、これって農薬使用の回数
にはカウントするのでしょうか?
また、圃場全体の何%位までを散布したら「スポット」と言えなくなる
のでしょうか?
最近重箱の隅をつつくような話に振り回されているために、いろいろ
疑問点が増えてきました。