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[IPM:1229] お問い合わせがあったの でお答えします。




> /島野さんの書評,むしろtisaやevolveにぴったりと思うけど,
> そちらには投稿しないの(^o^)?
> ・・・けしかけてるわけではありませんが,ちょっと感じたので・・・。

 思いついた例が
 ハマベアナタカラダニ Balaustium murorum (Hermann)
 カベアナタカラダニ(未記載なので別名扱いになっている)
 でした。(ワザと書きませんでしたが......)

 ダニの実名を出すのさえもすこし、
 そのダニの研究者にわるいかなと思ったもので、
 IPMで、かわいく(?)だしてみました。

 問題になったのは「原色ペストコントロール図説」という
 衛生害虫の本だったんですが、IPMでも、同じ様な問題も
 生じると大変だなーと、おもいましたもので......。
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 と、実は個人メールで出していたようでした。
 問い合わせがありましたので、

> 1)赤いダニの種名(学名、和名)
 書きましたね。

> 2)上述の対応でまちがっていないか?

 本種は、花粉食と言うことになっています。

 なぜ、タカラダニは増えたか?
 「アナタカラダニ属には、5種が記録されているが
 強光線の環境に適応している。
 コンクリート上でも春先から飛散する花粉が多く食べ物には事欠かず
 競合する天敵がいないため適応してきたためと思われる。」(芝,2000) 

 ただし、ごくまれに虫咬例があって
 「服部(1990)が札幌で本種と思われるダニでの虫咬例
 アメリカで、Newell (1963) が4例の
 アナタカラダニ属Balaustium sp. での虫咬例を紹介しているが
 口器の形態からは刺すことは可能であろうが、
 偶発的な事例ではないかと思われる。」(芝, 2000)

> 3)和名の基となっている和書の書名

「原色ペストコントロール図説 第V集」
  日本ペストコントロール協会2001p52-57.
http://www.pestcontrol.or.jp/menu3/main6.html

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1) 芝, 2000 は著者から直接いただいた
 「第44回 全国環境衛生大会 講演集 p29 2000年11月」
      (日本環境衛生センター主催  全国環境衛生大会)

2)芝 実 1989 タカラダニの生態 生活と環境 34: 39-45.

 よくみかけるものなので、きちんと書かないと
 まずいかなとおもっていましたが、やはり
 お問い合わせをいただいてしまいました。
 お騒がせしました。
                 島野 智之

 
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 Satoshi Shimano,  Ph. D.
Department of Upland Farming
National Agricultural Research Center for Tohoku Region (NARCT)
Arai, Fukushima-shi, Fukushima 960-2156, Japan
satoshis@affrc.go.jp
Fax. +81-24-593-2155