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[IPM:1542] ニカラグア報告 @大野
こんにちは。宮大農学部
大野です。
IPM-MLのみなさま、木村様、根本様、和田様
連休中にニカラグアから帰国したのですが、やっとメール送信する余裕?できましたので、お
礼と合わせて報告です。滞在中のアドバイスありがとうございました。木村さんのCDは結局滞在
中に入手出来ませんでした。ニカラグアの事務所から現地大学へ回送頼んできました。
JICAの現地事務所が企画した案件ということで、無償援助で作った天敵大量増殖施設(ニカラ
グア国立自治大学)では確かに天敵(トリコグラマ、クサカゲロウ、糸状菌、ウィルス)が生産
されていたのですが、そもそも天敵に影響の少ない選択的農薬を指導するということが欠落して
おり、天敵を放飼した圃場にすぐ、非選択的農薬が散布されているなど、現実的にはまだまだ天
敵利用にほど遠い状況と感じました。
大学内の有機農法圃場(トマトとピーマン)では農薬散布していないとの研究者の説明でした
が、ハモグリバエやコナジラミの発生が多く、土着天敵が働いている痕跡はまったくなし。結局
圃場管理者に尋ねたら、1週間に1回の割合で農薬を散布していました。研究者が圃場の様子を
把握できていないこと、誰も農薬に関する指導がきっちりとできないことが一番の問題ですね。
この点は皆さんがメールでも指摘されたことですが。
とりあえず、圃場での害虫の発生調査、農薬をうまく使い、土着天敵の力を引き出す研究を紹
介したのですが、残念ながら、3週間という滞在の中で伝えられたことは限られているように思
いました。
市場の野菜は、虫食いや傷が多く、国内消費分についてはそんなに野菜を使っていないという
印象でした。ただ、輸出分ではかなり殺虫剤を散布しているようです。キャベツでは、BT剤の
他に、アファームなど、トマトではコンフィドール(アドマイヤー)の名を良く耳にしました。
ニームを使いたいという声が研究者に多かったのですが、圃場での殺虫効果の評価方法も確立し
ておらず、まずは基礎的な部分をしっかりと進めること・・と、報告書には書いたのですが。
今後、日本から専門家を何回か派遣することになるかもしれません。その折は皆様よろしく。
ビールが安く、肉が美味しいところでした。頭痛かったのは、大学の教員がほとんど英語をしゃ
べれないこと。幸い、高校までアメリカの大学にいたという昆虫専攻の卒業生が通訳として働い
てくれ、なんとか意志疎通はできたのですが。
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2004年11/29-30開催;天敵利用研究会宮崎大会事務局
楽しく快適な農業と食料生産を目指して天敵利用を進めます
手続き等詳しくは、こちらへhttp://www16.ocn.ne.jp/~tenteki/
大野和朗 (Kazuro OHNO)
〒889-2192 宮崎市学園木花台西1−1
宮崎大学農学部食料生産科学科 応用昆虫学研究室
電話 0985-58-7578(直通です)
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e-mail: ohnok@xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx(研究室)
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Key words:昆虫生態学、天敵利用、総合的害虫管理
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