[IPM:273] 池田部長のマルハナの論文に関して

["A Ozawa" <ozawa@tea-exp.pref.shizuoka.jp>]

ＩＰＭ−ＭＬの皆様

静岡茶試の小澤です。

導入生物問題に関して、私の経験を少しご紹介します。
池田部長の論文でもふれられていますが、実際、一部の生態学者の先生の中にはかな
り強硬な批判的ご意見をお持ちの方がおられます。私もある先生と対談したことがあ
るのですが、「静岡県はマルハナといい天敵といい導入生物をどんどん持ってきてけ
しからんじゃないか」とおしかりを受けたことがあります。それから、マスコミ問題
ですが、昨年、マメハモグリバエの土着天敵のヘミプタルセヌスが特許をとったこと
を某国営放送に取り上げてもらいました（東海北陸版。ＢＳでは全国放送）。しか
し、こちらの意図に反して「導入天敵はあぶない」→「だから土着天敵を使う」とい
うようなニュアンスで放送され、正直困惑しました。土着天敵を使うのは、それが使
用する地域に生態的に適合していて防除効果も期待できるから、という話もしていた
のですが、そんなことより「導入天敵より土着天敵の方が（生態系に対して）安全」
というストーリーの方がわかりやすくマスコミ受けしやすいのでしょう。こちらも取
材に対して確固たる理論武装で望まず、あやふやな対応をしてしまったことを悔いた
次第です。

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小澤朗人
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