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[IPM:431] 中国天敵利用通信
劉 万学ら 中国農業科学院生物防治研究所
オオタバコガ(Helicoverpa armigera)の捕食性天敵の能力評価
材料及び方法
1998年河北省 0.3ha Bt導入組替え綿
4月15日播種 被覆
5月22日 アブラムシ防除
第二世代・第三世代の産卵盛期にはトリコグラマ放飼
綿畑全体は14haで周辺植生は 春は小麦,夏はトウモロコシ,その他大豆など
調査法
5日ごとに10地点から10株採取して植物体を上中下地面に4分し,節足動物の種類と数を記録(7月15日以後は10日
毎).
結果の分析
調査期間中の捕食虫の総種類は
テントウムシ・クサカゲロウ 44.8%
捕食性カメムシ 14.9%
クモ類 40.0%
時期により優占種は異なった。
捕食虫の生息場所の動向
オオタバコガの卵及び孵化幼虫の生息場所と天敵の生息場所の重なる場合に捕食効率が高くなる。効率の高い種類は
テントウムシ,クサカゲロウ,ヒメハナカメムシ,カニグモ
捕食効率の動向
捕食効率のモデルを作り計算した(Levinsの指数を組み入れた)
結論
オオタバコガの世代により優先種は異なるが,ヒメカメノコテントウ(Propylosa
japonica)(149%),カスミカメムシ(Campylomma
diversicornis)(22.3%),ヒメハナカメムシ(Orius
minutus))(11%)が効率的な捕食性天敵であることを明らかに出来た.
遺伝子組換の綿を使っている事,調査間隔・調査株数などに中国の研究者の意気込みが感じられる。日本にも多いヒ
メカメノコテントウがオオタバコガの卵および幼虫の主要天敵という事実には驚かされた。(高木の感想)
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