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[IPM:714] スクミリンゴガイ防除の現状について



IPM−MLのみなさま。
はじめてメールを入れさせていただきます。
三重県紀南果樹研究室の鈴木賢ともうします。

現職場の仕事とは直接関連していないのですが,昔にかかわって突き詰められずに終
わっているので,皆さんに情報をお教え願いたいのです。
話題としては,ちょっとマイナーな感じがするので,申し訳ないのですが。

(ちょっと長い前置きですみません)
三重県でも過去に食用にするため,ジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)が養殖され
ていました。
私が普及員をしていた時の担当地域でも,一部の水田(水系)で問題になっていまし
た。
(現状でもいくつかの地域で問題になっています)
その地域では,まず人力による捕殺,地域一斉薬剤散布など取り組みました。
がんばるとおおむねいなくなり,数年するとまた増え出すという経過を繰り返してい
ました。
やはり,水系全体に分布しているため,根絶できなかったようです。

そこで,本田では薬剤防除,捕殺,河川・用水池・レンコン畑等の水系では”養鯉”
を行って密度低下を図るという二段構えの方法をとりました。
タニシの天敵は,単純にコイだろうと考えたからです。

役場担当者・水稲農家の協力を得まして,約1kg(30cm)のコイを,レンコン
池2a当り15匹放飼しました。
(河川には”コイをとらないで”という看板を立て,ニシキゴイを役場の人が放しま
した。)
用水池や河川でのデータは取れませんでしたが,ある農家のレンコン畑?池?で養鯉
開始前と次春の貝密度を調べました。
開始前は小さな貝から大きな貝まで,まんべんなく確認できました。
次春,池に入水後の調査では,コイの口に入りきらない,超大型の個体のみ数個確認
されました(これはすぐ見つかり,捕殺できました)。
もう一度,詳しく追跡調査をしたかったのですが,人事異動で関われなくなってしま
い,その後の様子ははっきりしません。
(これって,天敵利用のいわゆる失敗事例でしょうか・・・。)

前置きが長くなりましたが,ジャンボタニシの防除には,水張り方法の改善や冬季の
耕起などいろいろな方法が提案されているようですね。
三重県では現状でも,まだ問題になっている地域があります。

天敵利用も含めて,防除に関する知見がありましたら,紹介・アドバイス等お願いし
ます。

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三重県科学技術振興センター農業研究部紀南果樹研究室
鈴木賢(すずきけん)  e-mail suzukk07@pref.mie.jp
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