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[IPM:988] Re: 土着、導入天敵



大野さま、藤沢さま、IPMMLの皆さま

 環境goo 松永です。土着・導入天敵のお話、とても興味深く、ずっと読ませてい
ただいていました。

 実は、国内の土着天敵と外来天敵、それに海外で開発されたけれど日本にも同種が
いる天敵、それぞれでどのくらい商品があるか、調べて原稿を書こうとしたのですが、
なかなか取材が難しくやめたのです。
 大野様の説明は分かりやすかった。ありがとうございます。

>  確かにハチに化けた虫もいますが、とりあえず栽培現場でそうした関心をもって昆虫
> をみることが大切だと思います。天敵を使うこと、つまり従来の農薬を使わないことで
> いろいろな虫や生き物が目にされると思います。
> 
>  天敵、害虫、そうじゃない虫(ただの虫)など、そしてそれらの関係が分かってくる
> と、購入された天敵の意外な動きや働きも見えてくる。これは、害虫が減るか心配した
> り、農薬をまくべきかどうか思案しているとき、より確かな判断をする上で大変貴重な
> 情報になること間違いありません。
> 
>  化学農薬全盛の前には、本来農家の方が一番経験的にそうしたことを知っていたと思
> います(確か、こんなことを福岡の宇根豊さんが言っていたような?)。
> 

 これは、本当にその通りでしょうね。その田や畑にもともといる天敵の力を十二分
に引き出す。これは納得できる。

 しかし、この「天敵の力を利用する」から「天敵農薬を使う」には、ものすごい飛
躍がある。
 私も最初は、そこに飛躍があることに気付いておらず「虫の力を利用して減農薬な
んて、すごい」と単純に考えていました。でも、マルハナバチの議論など勉強するう
ちに、「そんなふうに、人間の都合がよいように虫を使ってよいの? なにか悪影響
が出てくるのではないの?」という直感的で極めて漠然とした不安が、どんどん膨ら
んできています。

 環境gooのコラムが出た後に、読者から「天敵農薬=減農薬=環境によい」という
先入観で原稿を書いていませんか、とメイルが来ました。どういう方かは伏せますが、
天敵農薬やマルハナバチにめちゃくちゃ詳しいプロの一人。
 その方によれば、「天敵が有効であるという圃場試験の科学データが極めて少ない
(あるいは、皆無)。つまり、化学農薬よりも効果があるというデータはない」だそ
うです。その方も、効果がないというのは理論上有り得ない、とはお書き添え下さい
ましたが。
 データがないために、天敵メーカーはやむを得ず、環境によいというイメージ優先
のマーケティングをしている、というのがその方の見方でした。

 化学農薬にもベネフィットとリスクがある。天敵農薬にも当然、ベネフィットとリ
スクがある。それらを比較して、トータルでは化学農薬よりも天敵農薬の方が環境に
よい、という結論になれば、納得なのですが、そういう議論はこれまで行われてこな
かったのでしょうか?
(もちろん、一口に化学農薬だ、天敵農薬だ、といったところで種類は多く、十把一
絡げで論議することは無理であることは十分承知の上ですが)

 皆様、どう思われますか?  


 さらに、議論を推し進めれば、省力化という環境影響とは関係ないベネフィットを
どう評価するか、とか、天敵農薬をジェット機や宅配便で輸送することの環境負荷も
考えなくちゃ、という視点も出てくるはずです。どんどん話がややこしくなってくる。
 

 これまでの土着・導入天敵のやりとりからは、ずれてしまうのですが、連続性のあ
る疑問かな、と思い、このメイルを出してみることにしました。本当に、化学農薬よ
りも天敵農薬の方がよいのですか?
 どなたか、お教えください。

松永 和紀(まつながわき)
waki@bc.iij4u.or.jp