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[IPM:997] Re: 環境へのリスク



三浦さま 皆様

 ものすごい速い反応に感謝です。うれしい。
> 
>>  ただ、現実に化学農薬の一部を天敵農薬で代替する、という形で普及が進んでいま
>> すので、やはり、化学農薬と天敵農薬の比較は必要であるように思います。
> この文意がよくわからないのですが,
> これも結局効果の比較が必要ということなのでしょうか?
> 代替するからといって効果を比較する必要性はあまり感じないのですが・・・

 これは、実用技術としては比較せざるを得ないように思うのですが。使う側にとっ
ては、どちらを選ぶか、あるいはどちらも使わないか、ということに過ぎないので。

> 
>>  天敵のベネフィットとして必ず「化学農薬を使わずにすむ」ということが第一に挙
>> げられます。つまり、化学農薬のリスクと天敵のベネフィットは裏表の関係なのです
>> 。
>>  ここで、私は「あれっ?」と思うのです。それって、化学農薬のリスクが存在しな
>> い限り、天敵農薬の存在意義はないってこと?
> 
> 「天敵を利用すると環境に良いことしているんだ」と言うのが偽善的で
> 感銘を受けやすいので一番に挙げられると思います(これはすごい問題発言なのでしょ
> うが).
> 私は環境うんぬんより
> 化学農薬を使用するにはゴーグルやマスクを付けて,化学農薬散布用の服を着て
> 重いタンクを背負い,蒸し暑いハウスの中を歩かなければならない(ここまではみんな
> していないでしょうが).
> 非常に労力がかかるということが問題だと思います.
> でも,生物農薬は誘引用の針金等に等間隔で引っかけるだけです.
> 爆弾上になった生物農薬を放り投げるだけです.
> 非常に省力であることが重要だと思います.
> だから一概に天敵農薬のベネフィットが化学農薬のリスクとトレードオフとは思いませ
> ん.
 これも納得。私も、田中師匠に話を聞いたときに「省力化にいかに効果があるか」
という説明をされて、なるほど、と思いました。
 ただ、天敵のベネフィットの第一は「化学農薬を減らせる」だ、と説明する人が多
いのも事実です。どうかすると、これだけの人もいる。
 三浦さんにこんなふうに整理していただけると、本当に分かりやすいです。


> 天敵の環境への影響評価は,どのように研究を進めれば良いのかは誰も見当はつきます
> が,
> 多大の労力と時間を費やすので生態系の一部分で起こることを理解する程度で
> 終わっていると思います.今の科学ではスパコンを駆使しても福山で私がくしゃみをし
> て
> ニューヨークで気象がどうなるかを予測できないのと同じだと思います.
> 
> 松永さんにお伺いしたいのですが,
> メダカ,カブトガニ,ホタルなど
> 教育等の理由で他地域から他地域へ移動しております.
> これらの環境への評価を研究している論文ってありますか?
> その論文の掲載されているIFは?
> ご教示ください.

 これ、知りません。恥ずかしながら勉強不足。申し訳ありません。遺伝子組み換え
については、どんなペーパーがあるかそこそこ調べましたが(遺伝子組み換えはマス
メディアが取り上げるので、情報が多く素人にも調べやすい)、なかなか手を拡げる
ことができません。皆様お教えください。
 でも、教育的放流は今後、大きな問題になることでしょうね。いい御指摘をいただ
きました。一般読者は、天敵農薬というと「私には全く関係のないこと」と受け止め
ますが、自分の子どもがやっているコイやメダカの放流にも関わってくるのだ、と話
を進めると、関心の持ちようが大きく変わってきます。ありがとうございます。

松永 和紀(まつながわき)
waki@bc.iij4u.or.jp