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[IPM:1031] Re: 中国野菜について
本多@中央農研です。
> 環境goo 松永です。
>
> >> 「中国ではとにかく農薬の使用量が多くて、現地の市場でも大変な問題にな
>ってい
>>> るんだ」という報道と、「日本向けのほうれん草やゴボウなどの野菜だけ、見映
>>>えを
>>> 良くするために特に農薬を大量に使っている」という2種類の報道があり、どち
>>>らが
>>> 本当なのか、あるいはどちらの方が比重が大きいのか、よく分からない。
>> 日本向けには、市場に受け入れられるように、かってはそうだったかもしれ
>> ませんが、それでは市場に受け入れられないと言うことが分かると変化は
>> 早いです。なにしろ、スクラップ&ビルドの国ですから...
>>
>
> > # JR東日本が有機栽培の冷凍弁当を輸入していたことを良く考えてください。
> > # 海外では、日本よりも有機野菜を安価に多量に調達できるのです。
--->木浦さん
「海外」でひと括りにしてしまうと問題かもしれません。JR東日本が輸入したのは北
米産でしたね。
中国でも有機野菜(特に洋菜類)が安価なのでしょうか?(為替レートの問題があり
ますので、日本人にとってと中国人にとってで話は異なるとは思いますが・・・)
> 現在、日本で冷凍ほうれん草からクロルピリホスやディルドリンがたびたび検出さ
>れています。日本の商社や加工会社などは表向き、「農薬は農家が勝手に使うもの。
>使用していることを知らなかった」「近くの畑から飛んできた可能性がある」などと
>言っていますが、これらの会社が日本向けの食材はかなり厳しく管理して作らせてい
>ることは周知の事実(この場合の管理は、リスク管理ではなく主に外見とコスト管理
>ですが)。これまでにも、クロルピリホスは輸入野菜からたびたび検出されています
>し、弁解を単純に信用することはできません。
>
> では、なぜ黙認するようなことをしたのか。あるいは、黙認せざるをえなかったの
>か。
> これらの農薬は、日本市場向け農産物だからこそ、わざわざ使われているのでしょ
>うか?
> こうしたことは、オーガニックの状況などとはあまりにうらはらなので、よく理解
>できないのです。
中国も広いので事情は様々だと思います。
2年前に湖北省と吉林省を訪問したときの経験では、内陸の農村部では農家は零細で
農薬など購入する経済的余裕はなく、畑の害虫は手で取るだけだと言われました。実
際に畑を歩いてみると、ダイズ畑などでカマキリやテントウムシなどの捕食者がよく
見られ、人力防除と土着天敵によってそれなりに害虫の発生が抑えられているという
印象を受けました。
町で早朝に開かれる市場では、虫にかじられた跡のある野菜なども平気で売られてい
ますし、中国人はあまり野菜の見てくれを気にしないで買っているようです。中華料
理は基本的に生野菜を使わず、煮たり炒めたりするため見かけにはこだわらないのか
もしれません。生野菜を食べる習慣は最近発展している沿岸の都市部で広がっている
のでしょう。その意味では、エコブームや健康指向も都市部を中心とした風潮ではな
いでしょうか?
日本向けに栽培されている輸出用の野菜は中国人が食べるものとは種類が異なります
ので、おのずから地元の野菜とは異なった栽培方式をとっていると思われます。商社
が種子や資材、農薬までセットで提供して栽培指導を行っているとも聞いています。
中国ではまだまだ「法治よりも人治」という考え方が強く、規則があっても守られな
いことが良くあります。商社が出荷前2週間は農薬を散布するなと指導しても、従わ
ない農家は多いでしょう。輸入規制や輸入禁止といった厳しい措置に直面して、初め
て対応が変わってくると思われます。いずれ木浦さんが言われたように、日本の農薬
残留基準に合わせたものになっていくのだと思いますが、いつもチェックしていない
と守らない農家は出てくると思われます。
> この残留農薬や無認可添加物騒ぎで、厚生労働省などは本気で「中国からの輸入禁
>止」を考え始めているようです。
>http://www.asahi.com/life/food/020506a.html
>
> 結局、中国も移行期にあるということなのでしょうか? 現状は、お金持ち向け緑
>色野菜・有機野菜と、下々向け毒菜、という構造(極論ですが)であり、そこから全
>体のレベルアップが図られていくということかな?
先に書きましたように内陸の零細農家は農薬すら買う余裕がありませんので、下々向
けも緑色野菜かもしれません。都市近郊の比較的豊かな野菜生産農家が農薬使用の主
体ではないでしょうか?しかしWTO加盟の影響で今後内陸農業の企業化が進むと、利
益確保のために農薬の使用が広がると思います。水稲では、日本の箱育苗技術を導入
しようという動きもあります。これだとあらかじめ苗箱に粒剤を処理するため、農薬
の使用量は確実に増加します。内陸部で農薬使用が拡大すると、害虫の大発生や殺虫
剤抵抗性系統の出現などが問題になるのではないかと懸念されます。中国では長年卵
寄生蜂の研究が盛んで、天敵利用なども広く行われてきましたが、経済が資本主義化
した後もそうした研究や技術がそのまま維持されるのかどうかが心配です。
本多健一郎@中央農研
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Lab. Insect Ecology
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