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[IPM:1294] Re: ミヤコカブリダニとコウ ノシロハダニってどんなダニ



藤澤様・皆様

野菜茶研の浜村徹三です。
どなたか返答してくれないかなと、様子を見ていましたが、
なかなか出ませんので、書いてみます。

コウノシロハダニ
ナミハダニを少し小さくして、黒斑を側方に押しやったような形態です。
日本原色植物ダニ図鑑(農文教)や、ポケット版植物ダニ図鑑(日産化学)
などに写真が出ています。まれにイチゴにも発生するようですが、カンキツや
チャでもめったにお目にかかれないと思います。(反論があるかも知れません。
それを期待しているのですが)

ミヤコカブリダニ
アリスタさんのミヤコカブリダニ(商品名;スパイカル)がイチゴのハダニ類
で登録されました。それとは別に最近ナシ園などで、ミヤコカブリダニが
多くなっていることを聞きます(千葉大の天野先生達)。ミヤコはもともと
日本にいる種類なそうですが、増えているミヤコはもともといた在来個体群か
試験的に放飼されたものか、興味が持たれます。DNA鑑定などでそのうち
解明されることでしょう。
 食性のことですが、ホコリダニやアザミウマの幼虫も食べるようですから、
チリカブリダニよりは広食性なことは確かのようです。ただ、食わせて食べる
ことと、防除資材として使えるかどうかは別の話でしょう。
以上は聞いた話や推論ですが、以下は自分の体験です。
 チリ、ケナガとミヤコはどこが違うかを調べています。
①カブリダニは卵から孵った6本脚の幼虫は何も食べなくても、脱皮して
8本脚の第一若虫になるものと思っていたのですが、ミヤコは幼虫も摂食
するので、びっくりしました。食べる量は知れたものですが、どう猛な感じ
はしました。
②有機燐剤やネオニコチノイド系の薬剤にはかなり耐性をもっているようで、
ナシ園などの農業生態系で増えている原因はこの辺にあるのではないかと
考えています。現在進行形の研究なので詳細はかけませんが。
③休眠性は無いですが、低温での発育は早め、高温耐性も強いようです。
長くなってしまいました。以上です。



----- Original Message -----
From: "Shizuo FUJISAWA" <sizuo@tokai.or.jp>
To: "IPMメーリングリスト" <IPM@ml.affrc.go.jp>
Sent: Tuesday, October 28, 2003 11:25 PM
Subject: [IPM:1293] ミヤコカブリダニとコウノシロハダニってどんなダニ


> IPM-MLのみなさん、
>  イチゴ農家の藤澤です。
>
> 最近気になる虫が2つあります。それがミヤコカブリダニとコウノシロハダニで
す。
> いったいどんなダニなのだろうか?
>
> ミヤコカブリダニは、チリカブリダニと違って、雑食性ですか?
> ホコリダニも食べますか?
>
> コウノシロハダニってどんなダニ?
> 写真を見てみたいなあ。
> HPで見ることができますか?
>
> よろしくお願い致します。
>
>
> (静岡県三島市 藤澤 鎭生 sizuo@tokai.or.jp )
>
>