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[IPM:1907] Re: 苺に菜花
藤澤鎭生様
受信日時:08/02/06 19:43:18 東京 (標準時)
sizuo@xxxxxxxxxxxからの引用:
高田さん、みなさん、
苺農家の藤澤です。
改めて苺に菜花を試してみて、思ったことです。
苺で問題になるワタアブラムシと菜花で問題になるニセダイコンアブラムシ、
ワタアブラムシのコレマンアブラバチとニセダイコンアブラムシのダイコンアブラバチ、
ここで、コレマンアブラバチとダイコンアブラバチの二次寄生蜂は、同じものなのだろか?
二次寄生蜂にも特異性があるのかな?
アブラムシの二次寄生バチにも寄主特異性があります。概して、寄主特異性は(1)一次寄生バチと比べ二次寄生バチの方が低い、(2)内部寄生性二次寄生バチと比べ外部寄生性二次寄生バチの方が低い、といえると思います。一例として、コレマンアブラバチ放飼キュウリハウスのワタアブラムシマミー(A)と、コマツナハウスのニセダイコンアブラムシマミー(B)から羽化した二次寄生バチを、(和名がないため学名で)示します。
内部寄生性
ヒメタマバチ科 Alloxysta sp. b他2種 (Aのみ)
内部/外部寄生性
トビコバチ科 Syrphophagus tachikawai? (A、B)
外部寄生性
オオモンクロバチ科 Dendrocerus carpenteri 他1種(A、B)
コガネコバチ科 Asaphes suspensus (A、B)
Pachyneuron aphidis (A、B)
A:京都市上賀茂、キュウリ/ワタアブラムシ/コレマンアブラバチ(90%以上)[佐藤ら、1998から]
B:京都府南丹市美山、コマツナ/ニセダイコンアブラムシ/ダイコンアブラバチ(99%以上)[巽ら、2003から]
Alloxysta sp. bは直接の寄主であるダイコンアブラバチを選好しないようです。A、B両方から羽化した3科4群の5種は寄主範囲広いのですが、どのアブラムシにも二次寄生するわけではありません。
作物栽培施設でアブラムシが敵ならば、敵の敵は味方、敵の敵の敵は敵ということになります。アイディアマンの藤澤さんには、その敵と平和共存する何かいい方法を考えていただきたいと思います。
高田 肇