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[IPM:2055] RE藤澤2054多発失敗



藤澤さん

田中寛@大阪環農水総研です。

>天敵Wikiで話題のミツユビナミハダニは、
>大阪府で初めて見付かったのが平成13年と知りました。
>そんなミツユビナミハダニも多発させようとして
>失敗している害虫では、ありませんか?

そのハダニ,藤澤さんの指摘まで,完璧に忘れていました。
試験場商売では,問題にならない『害虫』は忘れています。
多発失敗害虫の可能性はありますが,詳細不明です。

>新種の害虫には、最初の勢いは強いが、その後は普通の虫になっているとか?

重要害虫でふつうの虫になりつつある害虫はたくさんあります。
近年で有名なのはハモグリバエ類ですね。
マメハモグリバエとかトマトハモグリバエとか。
在来天敵寄生蜂がこれらのハモグリバエ類にも寄生するようになったのが
大きな要因かと思われます。
これらのハモグリバエ類が衰退する一時期,
経済栽培圃場のナスでは多発し,
家庭菜園のナスでは少発生という面白い現象を確認しました。
この現象は明らかに天敵殺戮が原因でしょう。
詳しくは誰かが補足してくれるかもしれません。
水稲のニカメイガもそうで,説はたくさんありますが,
『ずばり,これ』はなかなか難しい。

>化学農薬も使わずに、なりをひそめた害虫もあったりするのでは?

たとえばヤサイゾウムシがそうかも。
大学の時なんかにならった有名な侵入害虫ですが,
現場で1回,相談(弁当の野菜に混入)で1回,見ただけです。
化学農薬に弱いのはたしかですが,
それ以上に,生息密度が極度に低下しています。
レッドデータブックに掲載してもいいくらい。