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[IPM:2093] Re: 米国の有機農業



藤沢様
現地の事情に詳しい和田さんが解説して下さったので助かりま
した。病害虫は日本に比べ少ないことは、イネの起源とは無関
係に成立します。正確な記憶ではありませんが、米国では、10
数年前の統計では、水稲の40%ぐらいしか農薬散布がされてい
ないのに驚いた記憶があります。ウンカが東南アジアから来る
のは、日本で米国ではないと思います。ヨコバイ媒介のウイル
ス病(オーハーブランカ)がメキシコから侵入する場合はある
でしょう。ウンカも緑の革命で多収性品種の栽培とそれに伴う
多肥・農薬散布までは東南アジアの人達は専門家も知りません
でした(1960年代)。他方、日本や韓国ではウンカによる飢饉
まで経験していました。「何事も一概にはいえないものです」
という和田さんの御意見に同意します。

--- "WADA, Tetsuo" <tetsuo.wada@xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx>
wrote:

> アリスタの和田です。
> 
> 藤沢さま、
> 
> 米国の西海岸は海岸線以外は、かなり砂漠的な気候で害虫の
密度が低いのです。
> 湿度も低く、病気も害虫も発生の度合いは日本に比べ、比較
にならないほどです。
> 
> 日本では、バラを栽培しても、すぐウドンコ病やら、チュウ
レンジハバチ、などがすぐ発生してしまいますが、
> カリフォルニアで私が趣味で栽培していたときは、ウドンコ
の発生がまったくなく栽培が楽だと思いました。
> アメリカのブドウのウドンコ病でカリグリーンがよく使われ
ているのも、そのような天候であることが
> ひとつの理由と思われます。
> ラスベガスやデスバレー、アリゾナの気候ですから、病害虫
密度が基本的に低いのです。
> トラックのボンネットで玉子焼きができるくらいですから。
> とはいえ、メロン、棉などでタバココナジラミ、ワタアカミ
ムシなどは大発生していますから一概にはいえませんが。
> 何事も一概にはいえないものです。
> 
> さて、水稲についてですが、もともと日本にはなかったと聞
いています。
> 東南アジアから移入されたので、病害虫が随伴していたかど
うかは、わかりませんが。
> ウンカなどはいまだに東南アジアから飛来しているようです
が。
> 
> イチゴについてですが、カリフォルニアのチリカブリダニは
ほとんど輸入品です。
> オランダとイスラエルが主な輸出元です。現地の生産施設は
ありますが、シェアは小さいようです。
> チリカブリダニは、南米チリ原産で、現在のイチゴの品種も
南米と聞いていますので
> 若干関連はあるかもしれません。
> 表面をなめるようなコメントで申し訳ありませんが、チリカ
ブリダニとミヤコカブリダニによる
> ハダニ防除は、イチゴにおいては、かなり安定したシステム
となっていると思います。
> 日本でのハダニの天敵の普及度合いは世界でももっとも先進
的なものであると理解しています。(海外のイチゴ栽培はもっ
と粗放的なものが多い)
> あとは残されているのは、4月以降のスリップス防除ですが
、これはまだ解決がつきません。
> スリップスに効果のよりより天敵の探索が待たれますが、良
い天敵の開発、普及は欧米にかなり遅れをとっているのは
> 残念なところです。
> これはわれわれ開発者の責任でもありますが。(研究者では
ありませんので)。
> 
> 和田哲夫
> 
> 
> 稲作と苺栽培は、日本と米国ではまったく逆なのかな?
> 日本にとっては、稲がもともとある植物とその害虫。
> 米国にとっては、苺がもともとある植物とその害虫という関
係が
> あるのではありませんか?
> 日本にとっては、稲の害虫がたいしたことがない。
> 米国にとっては、苺の害虫がたいしたことがない。
> 
> 日本にとっては、苺の害虫が重要。
> 米国にとっては、稲の害虫が重要。
> そんな関係が、あったりするのでは?
> 
> 苺の天敵を海外からの輸入に頼っているところから、そんな
風に思いました。
> 
> 
> (静岡県三島市 苺農家 藤澤 鎭生)
> 
> 
> 
> 
> 
> 



桐谷圭治

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