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[IPM:2092] 米国の有機農業



アリスタの和田です。

藤沢さま、

米国の西海岸は海岸線以外は、かなり砂漠的な気候で害虫の密度が低いのです。
湿度も低く、病気も害虫も発生の度合いは日本に比べ、比較にならないほどです。

日本では、バラを栽培しても、すぐウドンコ病やら、チュウレンジハバチ、などがすぐ発生してしまいますが、
カリフォルニアで私が趣味で栽培していたときは、ウドンコの発生がまったくなく栽培が楽だと思いました。
アメリカのブドウのウドンコ病でカリグリーンがよく使われているのも、そのような天候であることが
ひとつの理由と思われます。
ラスベガスやデスバレー、アリゾナの気候ですから、病害虫密度が基本的に低いのです。
トラックのボンネットで玉子焼きができるくらいですから。
とはいえ、メロン、棉などでタバココナジラミ、ワタアカミムシなどは大発生していますから一概にはいえませんが。
何事も一概にはいえないものです。

さて、水稲についてですが、もともと日本にはなかったと聞いています。
東南アジアから移入されたので、病害虫が随伴していたかどうかは、わかりませんが。
ウンカなどはいまだに東南アジアから飛来しているようですが。

イチゴについてですが、カリフォルニアのチリカブリダニはほとんど輸入品です。
オランダとイスラエルが主な輸出元です。現地の生産施設はありますが、シェアは小さいようです。
チリカブリダニは、南米チリ原産で、現在のイチゴの品種も南米と聞いていますので
若干関連はあるかもしれません。
表面をなめるようなコメントで申し訳ありませんが、チリカブリダニとミヤコカブリダニによる
ハダニ防除は、イチゴにおいては、かなり安定したシステムとなっていると思います。
日本でのハダニの天敵の普及度合いは世界でももっとも先進的なものであると理解しています。(海外のイチゴ栽培はもっと粗放的なものが多い)
あとは残されているのは、4月以降のスリップス防除ですが、これはまだ解決がつきません。
スリップスに効果のよりより天敵の探索が待たれますが、良い天敵の開発、普及は欧米にかなり遅れをとっているのは
残念なところです。
これはわれわれ開発者の責任でもありますが。(研究者ではありませんので)。

和田哲夫


稲作と苺栽培は、日本と米国ではまったく逆なのかな?
日本にとっては、稲がもともとある植物とその害虫。
米国にとっては、苺がもともとある植物とその害虫という関係が
あるのではありませんか?
日本にとっては、稲の害虫がたいしたことがない。
米国にとっては、苺の害虫がたいしたことがない。

日本にとっては、苺の害虫が重要。
米国にとっては、稲の害虫が重要。
そんな関係が、あったりするのでは?

苺の天敵を海外からの輸入に頼っているところから、そんな風に思いました。


(静岡県三島市 苺農家 藤澤 鎭生)