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[IPM:990] Re: 土着、導入天敵
藤沢さま IPMMLの皆様
>
>> 天敵農薬やマルハナバチにめちゃくちゃ詳しいプロの一人。
>> その方によれば、「天敵が有効であるという圃場試験の科学データが極めて少な
> い
>> (あるいは、皆無)。つまり、化学農薬よりも効果があるというデータはない」だ
> そ
>> うです。その方も、効果がないというのは理論上有り得ない、とはお書き添え下さ
> い
>> ましたが。
>> データがないために、天敵メーカーはやむを得ず、環境によいというイメージ優
> 先
>> のマーケティングをしている、というのがその方の見方でした。
> 天敵の方が農薬散布より効果が有る事のデータはたくさんあると思います。苺
> では春になるとハダニという虫が発生します。農薬散布には制限があり全滅さ
> せる事は出来ません。3週間もすれば元の量に、一ヶ月半もすると手の付けら
> れない状態になります。その上抵抗性の付いたハダニが発生したりします。こう
> なると農薬をいろいろ使い分ける事が必要になります。ハダニに利く農薬もいく
> つか種類(系統)があってローテーションを組むわけです。こんな話を聞くと苺を
> 食べたくなくなっちゃいますよね。
> では、天敵はどうか? 利用には問題点も多いのです。今までの農薬をそのま
> ま使っていては、天敵も死んでしまいます。天敵を散布する前から気を付けてい
> なければなりません。天敵について悪く言う人は、天敵利用に失敗した人が多い
> のでは? 私は、失敗をしてもそれを次の成功の肥やしにしたいと思っています。
> で今のチリカブリダニの効果はといいますと、苺の収穫を終えた圃場の回りにあ
> る雑草にハダニが少ない、次の作の為の親株(苺)にもハダニは見あたらない。
> この事で次作の苺のハダニ発生も少なくなる。と言った具合です。
>
私の書き方が誤解を招いてしまったようですね。ごめんなさい。
私のコラムに意見を下さった方の意味するところは「しっかりとした論文がないで
すよ。科学的データがきちんと出されていないと、化学農薬と天敵のベネフィットと
リスクを勘案して結論を出すトレードオフができませんよ」ということです。
農家の方の実際の経験を否定するものではないし、天敵利用に失敗している人でも
ないのです。むしろ、現場を良く知り、天敵やマルハナバチをうまく利用したい、と
一生懸命努力している人です。そういう方のご意見なので、IPMMLの皆様にもご紹介
したかったのです。
現場の実感と、研究者レベルの科学データとの乖離は、天敵に限らずどんなものに
もつきまといますね。ただし、「天敵農薬の世界はムード先行だなあ」という印象は、
私も持っています。
藤沢さんには、現場の実感を教えていただきました。天敵の利用は、いいものなん
ですよね。仮に失敗したとしても、次は成功に結びつけよう、と思える魅力を持つの
ですね。では、現場で感じる「リスク」はありますか? 変な虫が大発生してしまっ
たとか、チリカブリダニが逃げ出して大変だ、とか、心配になることはないのでしょ
うか。
研究者の方も教えてください。天敵農薬のベネフィットとリスクは? 化学農薬と
の比較は? 研究者の実感はどうなのか。論文レベルになると、それはどう定量化さ
れていますか?
松永 和紀(まつながわき)
waki@bc.iij4u.or.jp