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[IPM:1926] Re: 報告:浜村さんへ



関塚さん、皆様

生産者の方にカブリダニ利用の話をすることが時々ありますが、その後の情勢は
判らないことが多いのですが、関塚さんのように、経過報告とかいただくと勇気付け
られます。ありがとうございました。
返信もほとんど私的なものですが、MLを利用させていただきます。

バラでのチリカブリダニの利用は私も2件ほど経験しましたが、あまり成功とはいえない
結果でした。熱心なバラ農家は週2〜3回の薬剤散布が生きがいみたいなところがあり、
チリが増え始めると合ピレが撒かれたりして、さじを投げてしまいました。バラの直立する
姿勢に問題はないのか、少し気になってはいましたが、下部のこんもりした部分でチリが
増えれば、効果としては問題ないだろうと考えていました。  今回の農家の感触は良い
そうですので、安心しました。

イチゴでもそうですが、チリ導入のタイミングによっては、ハダニの暴走を抑えられない
ことがあります。そういう時にダニサラバは良い薬剤です。新しい薬剤ですので、確かに
良く効き、ほぼ完全にハダニを防除します。しかし、おそらく連用すれば、マイトコーネで
見られたような抵抗性が発達することでしょう。  ダニサラバの良い所は、ハダニの卵
(一見正常に見えるのですが、孵化してこないので、死んでいる)が、チリの餌として有効で、
しばらくはチリがそれを利用して、生き延びれるし、卵が多ければ増殖もします。
従って、掛けむらなどで、ハダニが再発生するとチリが集まって行き、長期間ハダニを
低密度に保つ状況が見られます。  関塚さんの報告中にもそれとおぼしき状況が見られ
ますね。

カーネーションは私は経験がありませんので、なんとも言えませんが、薬剤の悪影響さえ
なければ、問題ないのではと思いますが・・・・・。夏の乾燥期の使用ですが、暑さは大きな
問題ではないと思います。湿度がずーっと60%以下では増殖できませんが、夜間は80%
以上になるでしょうし、潅水もするでしょうから案外上手くいくかもしれません。

長くなってしまいました。
では、また。

         東海物産 浜村徹三
----- Original Message ----- From: "関塚知己" <sekizuka@xxxxxxxxxxxxxx>
To: <IPM@xxxxxxxxxxxxxx>
Sent: Friday, June 27, 2008 7:54 AM
Subject: [IPM:1923] 報告:浜村さんへ


浜村さん、MLの皆さん、こんにちは。神奈川の関塚です。

2月に浜村さんへ来ていただき、勉強会を開催しましたが、その後の経過報告です。
ほとんど私信ではありますが、天敵関係なので情報共有と言うことでMLを利用させて
いただきます。

私の知っている範囲で、この春、チリカブリダニの利用はバラ3件、カーネーション1件です。
いずれも2月の勉強会の出席者です。
私の担当地域では、バラ2件、カーネーション1件なので、以下はそれが中心となります。

私がメインターゲットとしたのは、2月の勉強会でも「使い始めた」と言っていた方で、
栽培様式はアーチング(当然、養液耕)です。
昨秋頃から影響表などを渡し、準備を進めていました。
その方は温室が3棟ありますが、そのうち1棟で始めました。
最初の導入は1月17日です。その時点でツボ状のハダニ発生が2ヶ所に増えており、 やや不安を抱えたスタートでした。不安は的中し、1月末には同化専用枝だけでなく、 収穫部位まで繁殖してしまいました。そこでダニサラバを散布したのが、2月の勉強
会の直前です。
その時のダニサラバが効きすぎて、ハダニがほぼ全滅してしまい、チリも当然の如く
居なくなってしまいました。

その一ヶ月ほど後にハダニの復活とともにチリも散見するようになりました。
それ以降、チリをたまに追加しつつ5月中旬までチリ&ハダニの共存状態が続きました。
今年は雨が多いせいか、ボト&うどんこが多く、殺菌剤を使用する事が多かったのですが、
その影響もあるのかハダニ全滅には到りませんでした。
そこで梅雨前に一旦クリーニングしようと言うことでコロマイトで両方全滅させました。
梅雨の間に発生を見ながら追加放飼しよう、という事になっていますが、今のところ、
ほとんど発生が見られず、他の温室に放飼するついでにお零れをパラパラぐらいで済んでいます。
(つまり、結局3棟ともチリ導入になった)


他のバラ生産者もう一人は2月の勉強会から導入を始めました。
こちらは準備(薬剤選定)が済んでいなかったので、ちょっと時間を置いて導入しています。
それ程発生する前(薬剤でかなり叩いた後)に導入したので、ハダニもチリもほとんど見かけな
いレベルです。
こちらはハダニを発見する前に、1月に1回と言う具合で定期的に導入しています。
3-6月頭までは、チリのみで済んだそうです。



どちらの生産者もかなり気に入ったようで、来年以降も使う気で居るようです。
放飼のタイミングも概ねつかめたように感じています。


頭が痛いのはカーネーションの方です。
6条植えでネットが3段とか入っているので、チリやハダニの観察が困難という
低レベルな悩みなんですが、、、(苦笑)
2回ほど導入したのですが、効果がイマイチよくわかりません。
5月に最大需要期があるので、他の時期を想定した方が良い気もします。
夏の感想期に使えれば一番なのですが、、、


以上、簡単ではありますが御報告まで。


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 関塚 知己(Sekizuka Tomoki)
 e-mail : sekizuka@xxxxxxxxxxxxxx
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