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[IPM:2085] Re: コクゾウ(虫)



藤沢さん・皆さん
イネの大害虫ニカメイガがただの虫になったこのごろ、米の害
虫コクゾウも、めったに見ないただの虫になりました。それで
もネットで調べてみると、どこから来たのか、湧いてきたとい
う記事もありました。
1.コクゾウはゾウムシの1種でカブトムシ目です。カメムシ
の仲間ではありません。卵・幼虫・蛹・成虫と完全変態です。
卵は米、麦、トウモロコシの穀粒内にうまれ、内部を食べて育
ちます。成虫になって穴をあけて外に出てきます。
2.まだ生態が完全に分かっているとはいえません。コクゾウ
は飛ぶことが出来、冬は一部(大部分?)は蔵の外に出て土の
中で成虫で越冬し、越冬後は訪花したりしたのち、麦畑に飛来
し、麦に産卵します。この麦が収納されると、コクゾウが発生
し、後は餌があれば、また温度があれば冬も継続して繁殖しま
す。
これに対して、より小型のココクゾウは飛翔力がなく、もっぱ
ら、米穀の流通にのって分布を拡大します。米俵の中で発生す
ると周囲の米も発熱して、冬もそのおかげで繁殖します。
3.無農薬米でコクゾウが発生したという記事がごく普通に当
然だと思われていますが、日本ではコクゾウがイネに飛来する
ことは時期的にも、これまでの経験からもありません。発生は
すべて収穫してからの、コクゾウの加害です。したがって、も
し慣行防除の米にコクゾウがつかないというなら、その程度に
残留農薬が検出されるという論理になり、これは常識的には考
えられません。
4.貯穀害虫といわれるものの大多数は、米ぬかが主な食物です
ので、精米の方が玄米よりもムシがつきやすいことは事実です
。
5.農家さんでの自家用米の保存の状況はしりませんが、もし密
閉貯蔵をされていたら、酸素不足でコクゾウなどの発生も少な
いはずです。政府米は低温貯蔵をするようになっているので、
これも発生はしません。輸入米(買い上げ米も?)はすべて勲
蒸処理ののち低温貯蔵されているのではないかと想像していま
す。

コクゾウの研究も現在、日本ではほとんどなく、半世紀前の研
究結果からの「コクゾウ物語」です。


--- Shizuo FUJISAWA <sizuo@xxxxxxxxxxx> wrote:

> 桐谷さん、IPM-MLのみなさん
>  苺農家の藤澤です。
> 
> コクゾウ(虫)の事で、カメムシの仲間でOKでしょうか?
> コクゾウ(虫)は、精米した米に特徴的に発生するように思
うのですが、
> おいしいご飯を食べたいと、自宅に家庭用精米機を導入した
事で、
> 発生が少が少なくなった? 
> 精米した米の保存状態が良くなった事で発生が少なくなった
?
> 精米機の性能が良くなったので、発生が少なくなった?
> 
> 以前に比べてコクゾウ(虫)の被害が少なくなっていると思
うのですが、
> なぜかな? などと思いました。
> 
> 
> (静岡県三島市 苺農家 藤澤 鎭生 )
> 
> 
> 
> 
> 



桐谷圭治

〒413-0231 静岡県伊東市富戸1020-292

ロワジール伊豆高原3-503 

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