[Date Prev][Date Next][Thread Prev][Thread Next][Date Index][Thread Index]

[IPM:2076] Re: ハダニの発見方法について



藤沢さま、みなさま。
北海道立上川農業試験場の齊藤と申します。
久しぶりの書き込みです。

私は以前、ハウス栽培キュウリで天敵を使った試験を
行っていました。
その際に、今回の藤沢さんのご質問のように
ハダニに対してカブリダニを放飼するときに
何か目安になるものがないかと考えまして
インゲンをモニタリングプラントに用いる方法をまとめました。

http://www.agri.pref.hokkaido.jp/center/kenkyuseika/gaiyosho/h16gaiyo/2004410.htm
http://www.cryo.affrc.go.jp/seika/h17/401.html

具体的には、きゅうり定植と同時に
ハウスの出入り口付近、およびハウスサイド何カ所か(1辺に3か所くらいとして
いました)に
インゲンを植え、週1回観察して初発をとらえます。
私はその場で観察しましたが、インゲンはすぐに葉が増えるので
回収してから観察でもよいと思います。
初発を見つけたら、天敵を発注し、届き次第放飼する、と言う手順です。
この方法を用いると放飼時期を決めるのが非常にラクでした。

ただ、この方法は圃場内にハダニがいないということを前提としています。
(ハウス外からの侵入;初発をとらえるためのもの)。
仮に、既に作物が植わっている状態で「どれ、今の状況はどうかな?」
といってインゲンを導入してもあまり効果は期待できないのでは、と考えられます。
ですから、イチゴの定植と同時にインゲンを配置する、
もしくは、ハダニの侵入が予想される時期より少し前に
配置および観察を開始するのがよいのではと思います。

インゲンは、ハダニの食痕も見やすくて、イチゴやキュウリを直接観察するより
簡単にハダニの発生を確認することができるので
モニタリング派の方にはおすすめできる技術だと思います。
どうぞ参考になさってください。

> 溝部さん、
>  苺農家の藤澤です。
>
> このような工夫はどうでしょう?
>
> ハダニの好物である植物があるって事がありませんか。
> 苺よりインゲン豆が好物とか。
>
> 対象となる作物よりハダニが寄りつきやすい植物を、5メートル四方に1つくらい
> 配置して一週間後に回収し、ハダニの観察をしてみる。
> 圃場内のハダニの密度とか分布の目安が分かると、効率よく天敵の放飼ができる。
> という感じですが、いかがなものでしょうか? ダメかな?
>
> ところで、苺栽培のハダニ対策ですが、ハダニの被害を見つけたときにカブリダニも
> 発見できる状態を作り出せると、上手くいっていると安心できます。
> 人の目よりカブリダニの方が、ハダニを発見しやすい環境や手段が必要であると、
> そんな風な事も思っています。
>
>
> (静岡県三島市 苺農家 藤澤 鎭生)
>
>
>
>   
-- 

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
 北海道立上川農業試験場 病虫科
     齊藤 美樹
  〒078−0397
  北海道上川郡比布町南1線5号
      tel 0166−85−4120
      fax 0166−85−4111
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪