藤澤さんの栽培方法をお聞きして、関塚さんが言われるように、本圃→ 育苗(露地)→本圃とチリとハダニの系が引き継がれたと考えるのが 最も合理的な説明になると思います。
夏場の露地はハウス内よりはカブリダニにとっては生存しやすい環境 であると思います。気温、湿度の両面で好適と思います。関塚さんの 文末に雨が降ると悪いのではと書いてありましたが、私は逆で、雨が 降ると気温は下がり、湿度は上がるので好適になると思います。台風 の暴風雨でもない限り、葉裏にいるカブリダニが流されることはまず ないと思います。
チリカブリダニが毎年発生して活躍してくれることは、生産者や我々 にとっては嬉しいことですが、一部の環境保全主義者(?)からは 導入天敵が土着化することは問題だと言われかねないので、たま たまうまく継続している特異な例としておいた方が良いかもしれませんね。
関連してのたわ言;昔チリカブリダニを研究していた頃、真梶さんや芦原 さんと話ました。チリカブリダニは環境が良いと大増殖してハダニを食い つくし自滅してしまいます。このような種が原産地ではどうやって種を存続 できるのだろうか? 低湿度とか高次天敵など常にプレッシャーがあって、 増殖能力を十分に発揮できないのか、ハダニがいなくなっても食いつなげる 代替餌があるのだろうかなどと話しましたが、いまだに答えは出ていません。 育苗中の露地でのチリの存続と関連して思い出しました。
浜村様 関塚様 皆様 苺農家の藤澤です
夏の育苗は、露地の高設育苗で苗を仕立てています。 本圃からは離れていますが、収穫後親株の管理をする事はあります。 また、以前に比べて育苗期のハダニの発生が少なくなり、防除回数も 育苗期では1回までになりました。ホコリダニの防除目的でした。 殺虫剤は、アブラムシ防除やコガネムシ防除に散布しています。 本圃は、表面をビニールで覆い水をはっています。 回りの雑草はなるべく草刈り機で刈るようにしています。
こんな所ですが、夏の間チリカブリダニが生き残っている可能性は、 あるのでしょうか? にわかには信じられないです。
私と同じように、チリカブリダニを放飼していないのに見つけた人が いると可能性がぐっと上がりますね。
ただ、自分としてはミヤコカブリダニを放飼した事で、こうなったので、 今年もミヤコは放飼しようと思っています。
(静岡県三島市 苺農家 藤澤 鎭生 sizuo@xxxxxxxxxxx )